施設の特徴
美深チョウザメ館の特徴
10種以上・約1000匹のチョウザメを見られる専門水族館
美深チョウザメ館は、「生きた化石」とも呼ばれるチョウザメを主役にした、テーマのはっきりした水族館です。オオチョウザメ、シベリアチョウザメなど10種以上・約1000匹を飼育していると紹介されており、キャビアの魚として知られるチョウザメを、食材ではなく生きものとしてじっくり観察できます。美深町では、明治ごろまで天塩川にチョウザメが遡上していたとされ、町の地域資源として養殖に取り組んできました。館内ではチョウザメだけでなく、天塩川に生息するイトウやサクラマスも展示され、北海道北部の川と古代魚のつながりを感じられます。
成長段階ごとの水槽で、体つきと泳ぎ方を比べる
展示方法の魅力は、チョウザメを成長段階ごとに見比べられることです。小さな稚魚から大きく育った個体までを水槽で観察でき、細長い体、硬い板状のうろこ、下向きの口、ゆったりした遊泳など、サメとは異なるチョウザメ独特のつくりがよく分かります。口コミでも、年齢別の水槽や立ち泳ぎするような動きが印象に残ったという声があり、派手なショーではなく、魚そのものの形や行動を近距離で見る展示が中心です。大規模水族館とは違う小さな施設だからこそ、1匹1匹の泳ぎ方や成長差に目が届きます。
積雪寒冷地での飼育試験から始まった養殖の拠点
繁殖・飼育の面では、美深町が1983年に水産庁養殖研究所の積雪寒冷地での飼育試験として、人工交配種ベステル300尾を三日月湖に放流したことが大きな起点です。その後、1997年にチョウザメ館が開設され、町内外にチョウザメを紹介する施設として整備されました。展示では、採卵・採精、受精卵、ふ化、稚魚へと進む養殖過程も紹介され、体重10kgほどの雌から多数の卵が採れること、受精卵の粘着性を処理してふ化槽に入れること、水温管理のもとで稚魚を育てることなど、チョウザメを増やす技術の一端に触れられます。
キャビアの魚を、命のサイクルから理解する場所
美深チョウザメ館の面白さは、キャビアという高級食材の背景にある、長期飼育と繁殖技術を実感できるところにあります。チョウザメは成長に時間がかかり、成熟した雌から卵を得るまでには継続的な飼育管理が欠かせません。美深町では寒暖差の大きい清涼な河川水を生かしてチョウザメ養殖に取り組み、美深キャビアや魚肉利用にもつなげています。館内で泳ぐ個体を見てから養殖の流れを知ると、キャビアは単なる珍味ではなく、魚を育て、卵を得て、再び次世代へつなぐ長い生物生産の成果だと分かります。
