施設の特徴
多摩川ふれあい水族館の特徴
多摩川の上流から下流まで、身近な淡水魚を見比べる
多摩川ふれあい水族館は、東京都下水道局の多摩川上流水再生センター内にある小さな淡水魚展示です。主役は、熱帯魚や海の大型生物ではなく、多摩川にすむ魚たち。イワナ、ヤマメ、ニジマス、アユ、ウグイ、カジカ、オイカワ、タナゴ、ドジョウ、フナ、メダカなど、18種類ほど、約100匹の魚が展示されています。多摩川の上流域から下流域まで、流れや水温、水深の違いによって魚の顔ぶれが変わることを、東京都内で身近に学べるのが大きな魅力です。
4つの水槽で、川の流域ごとのすみ分けを見せる
展示方法の特徴は、水槽を「最上流」「上流」「中流」「下流」といった多摩川の環境ごとに分けていることです。冷たい流れを好むイワナやヤマメ、流れのある場所で見られるアユやウグイ、底近くで暮らすドジョウやカジカ、ゆるやかな水域にいるフナやメダカなどを、同じ“多摩川の魚”として横並びに比べられます。大水槽の迫力で見せる水族館ではありませんが、魚の体形、泳ぎ方、底にいるか中層を泳ぐかといった違いが分かりやすく、川の断面を小さな展示室に移したような構成です。
再生水で魚を飼う、水質管理そのものが展示になる
飼育・管理の面で最も特筆すべきなのは、水槽に水再生センターで処理された再生水を使っていることです。下水処理によってきれいになった水で、多摩川の魚が元気に泳ぐ姿を見せること自体が、この施設ならではの生物展示になっています。繁殖実績を見せるタイプの水族館ではありませんが、魚を健康に飼育できる水質を保つこと、処理された水が再び川へ戻り生き物を支えることを、実物の魚を通して理解できます。水質、酸素、温度、汚れの少なさが淡水魚の暮らしに直結することを、難しい説明なしに実感できる展示です。
ふれあいから、水をきれいにする意味へつながる
多摩川ふれあい水族館の魅力は、魚を観察することがそのまま「水環境を守る」学びにつながる点にあります。オープン水槽では魚やカメなどに近い距離で接することができ、子どもでも生き物の動きや反応を感じやすい構成です。多摩川の魚を見たあとに、水再生センターという場所の意味を考えると、川の生き物は自然だけでなく、人の水利用や下水処理の技術にも支えられていることが分かります。小さな水族館ながら、多摩川の生物と都市の水循環を結びつけて見せる、かなりユニークな淡水魚展示です。
