施設の特徴
新屋島水族館の特徴
国内でも限られるアメリカマナティーに会える水族館
新屋島水族館の生物展示でまず注目したいのは、アメリカマナティーの存在です。日本国内でアメリカマナティーを見られる施設は限られており、新屋島水族館では「ベルグ」と「ニール」という2頭を長く飼育してきました。ゆったり泳ぎ、野菜を食べ、水面に鼻を出して呼吸する姿は、魚類中心の水族館では味わえない大型水生哺乳類ならではの魅力です。館内ではピラルク、アリゲーターガー、ヨーロッパオオナマズの白色個体、タカアシガニ、チンアナゴ、ウミガメなども展示され、山上にありながら淡水・海水・海獣を幅広く見られる点が特徴です。
生き物との距離を近くする、親しみやすい展示演出
展示方法の魅力は、コンパクトな館内を活かした“距離の近さ”にあります。約80の水槽に魚類、水生哺乳類、両生類などを展示してきた水族館で、マナティーやカワウソ、ペンギン、アザラシを間近に感じられるつくりが印象的です。ヒトデ、ウニ、ナマコなど磯の生き物に触れられるタッチプールは、ただ眺めるだけでなく、体の硬さや動きの遅さ、吸盤やトゲの感触から生態を学べる展示です。アザラシの水槽では、ゼニガタアザラシ「水雨」が傘を持つパフォーマンスで知られ、ドーナツ型水槽を使った動きの見せ方もこの館らしい演出になっています。
イルカライブと給餌解説で、行動を引き出して見せる
新屋島水族館は、ショーや給餌を生き物の行動観察につなげるのがうまい水族館です。イルカライブでは、ジャンプやトレーナーとの動きだけでなく、劇仕立ての演出を交えて、イルカの身体能力や合図を読み取る賢さを見せてきました。マナティーの給餌解説では、レタスなどの野菜を食べる様子を観察しながら、草食性の水生哺乳類としての暮らしを知ることができます。カワウソ、ペンギン、ウミガメなどの餌やり体験もあり、来館者が生物の食べ方や反応を自分の目で確かめられる点は、地域の小規模水族館として大きな強みです。
ペンギンの繁殖と、長期飼育を支える日々の管理
繁殖・飼育面では、フンボルトペンギンの繁殖実績が確認されています。2023年12月には、父「ヤマト」と母「忍」の間にヒナが誕生し、ふ化後は鳥インフルエンザ対策も考慮してバックヤードで慎重に育てられました。公開展示の華やかさだけでなく、体重管理、安全な育雛環境づくり、親鳥とヒナの状態観察といった飼育技術が支えになっています。さらに、アメリカマナティー2頭は1990年代から飼育されている長期飼育個体で、リニューアル期間中も屋島で管理され、ライブ配信を通じて様子を見られる取り組みも行われています。大型水生哺乳類の健康管理と、ペンギンの繁殖を両立している点に、この水族館の飼育力が表れています。
