施設の特徴
室蘭市立室蘭水族館の特徴
北海道最古の水族館で見る、室蘭近海と深海魚の個性
室蘭市立室蘭水族館は、1953年に北海道で初めて開館した水族館を前身とする、道内最古の水族館です。展示生物は、室蘭近郊や北海道内の海にすむ魚介類を中心に、本州方面の魚や熱帯魚まで約120種・3,300点。なかでも象徴的なのが、太平洋側などの深海にすむ大型魚「アブラボウズ」です。昭和44年から全国の水族館に先駆けて展示してきた魚で、室蘭水族館のシンボルフィッシュにも選ばれています。地域の海の生きものを軸にしながら、深海魚、トド、アザラシ、フンボルトペンギンまで見られる点が、北海道内でも歴史と個性をあわせ持つ魅力です。
開館当時の“車窓風展示”が残る、昔ながらの水槽体験
展示方法で特筆したいのは、開館当時に一般的だった「車窓風」の水槽展示を今も残していることです。巨大なパノラマ水槽で圧倒するタイプではなく、水槽が並ぶ通路を進みながら、一つひとつの魚を近い距離で見ていく構成です。魚の体形、泳ぎ方、底に潜む姿、群れ方をじっくり比べやすく、昔の水族館らしい観察の濃さがあります。フンボルトペンギンの行進では、約100mの散歩コースを歩くペンギンを間近で見られ、ミニ白鳥大橋を渡る演出も室蘭らしい見せ方です。道内最古の水族館だからこそ残る展示文化そのものが、ここでは生物観察の味わいになっています。
ゴマフアザラシ繁殖で国内初の実績を持つ飼育史
繁殖・飼育面では、アザラシ類の実績が際立ちます。1972年にはゴマフアザラシの繁殖に日本国内で初めて成功し、日本動物園水族館協会の繁殖賞を受けています。さらに1982年には、ゼニガタアザラシとゴマフアザラシ一家の繁殖でも国内初の成功を記録し、功労動物賞を受けました。現在のトドショー、トドの給餌体験、アザラシの給餌体験は、単なる演目ではなく、海獣の体の大きさ、採餌行動、個体ごとの反応を近くで観察できる機会です。歴史ある小さな水族館でありながら、海獣飼育の積み重ねを持つ点が、室蘭水族館の大きな強みです。
