施設の特徴
高千穂峡淡水魚水族館の特徴
五ヶ瀬川水系の魚を中心に約80種が集まる
高千穂峡淡水魚水族館は、渓谷を流れる清らかな水と淡水魚の世界を結びつけて見せる、小さな淡水魚専門の水族館です。展示の中心は、ヤマメやドンコなど五ヶ瀬川水系にすむ魚たち。そこに、オヤニラミ、アカメ、チョウザメ、鉄魚、両生類、ブラジルやアフリカにすむ熱帯淡水魚などが加わり、およそ80種類の淡水魚・熱帯魚を観察できます。巨大な海水魚ではなく、川底に潜む魚、流れに向かって泳ぐ魚、体色や形が個性的な魚を通じて、山あいの水辺の多様性を感じられるのが魅力です。
玉垂の滝の湧水を使った、渓谷ならではの展示
展示方法で特筆したいのは、近くの玉垂の滝を水源とする湧水を利用していることです。水槽の中の魚を見るだけでなく、その魚たちを支える水そのものが高千穂峡の環境とつながっているため、展示全体に土地の説得力があります。館内はコンパクトですが、五ヶ瀬川水系の魚、熱帯淡水魚、チョウザメなどを水槽ごとに見比べられる構成で、ドンコのように底でじっとする魚、オヤニラミのように姿や行動に個性がある魚、アカメのように存在感のある魚を近い距離で観察できます。
清水で維持する淡水魚飼育の面白さ
繁殖実績を大きく打ち出す施設ではありませんが、飼育面では、冷涼で澄んだ湧水を使いながら多様な淡水魚を維持している点が重要です。ヤマメのように水質や水温の変化に敏感な魚、ドンコやオヤニラミのように隠れ場所や底環境が観察の鍵になる魚、アカメやチョウザメのように成長すると迫力が増す魚では、必要な水槽環境が異なります。小さな水族館でありながら、地域の川魚と海外の熱帯淡水魚を並べることで、淡水魚といっても暮らす水、泳ぎ方、体のつくりが大きく違うことが分かります。
渓谷観光を“水の中の生物観察”へ広げる場所
高千穂峡淡水魚水族館の魅力は、景色として眺めがちな高千穂峡を、生きもののすみかとして見直せることです。岩壁や滝、清流の美しさに目を奪われたあとで水槽を見ると、その水の中で魚たちがどう暮らしているのかまで想像しやすくなります。観光地の中の小さな施設でありながら、五ヶ瀬川水系の魚を学ぶ場、自然保護への関心を育てる場としての役割を持っています。高千穂の水の美しさを、魚の姿からもう一段深く味わえる水族館です。
