施設の特徴
野毛山動物園の特徴
国内唯一飼育のヘサキリクガメに出会える都市型動物園
野毛山動物園は、「小さな子どもがはじめて動物に出会い、ふれあい、命を感じる動物園」という役割を掲げる、横浜の歴史ある都市型動物園です。飼育動物は約65種で、キリン、グレビーシマウマ、チンパンジー、レッサーパンダ、フンボルトペンギンなどに加え、爬虫類の希少種が非常に充実しています。とくにヘサキリクガメは国内では野毛山動物園でのみ飼育されている特別な存在です。マダガスカル北西部にすむリクガメで、のど下の甲羅が船のへさきのように突き出す姿が名前の由来。世界で最も絶滅が危惧されるリクガメのひとつを、神奈川県内どころか国内唯一の飼育例として観察できる点は、この園の大きな固有性です。
近さと解説で、動物のしぐさを読み解く展示
展示方法の魅力は、動物との距離が近く、行動の意味をつかみやすいことです。大型の自然放養式展示で圧倒する園ではありませんが、キリンの採食、グレビーシマウマの体格、フンボルトペンギンの泳ぎ、チンパンジーの表情などを、コンパクトな動線の中で見比べられます。定例のどうぶつガイドでは、カグー、ミゾゴイ、チンパンジー、キリン、爬虫類館、ペンギンなど幅広い種が対象になり、飼育員の解説を通して「なぜその姿勢をとるのか」「どんな食べ方をするのか」といった観察の手がかりが得られます。なかよし広場ではモルモットやハツカネズミとのふれあい前にレクチャーを行い、1組が接する動物を限定するなど、動物福祉と感染症対策に配慮した見せ方を採っています。
希少爬虫類の繁殖で、種の保存に貢献する飼育技術
繁殖・飼育面で最も注目したいのは、ヘサキリクガメの繁殖実績です。野毛山動物園では2023年にもヘサキリクガメの孵化に成功し、累計で12頭目の繁殖個体となりました。生息地であるマダガスカルの保護施設以外では飼育下繁殖の例が世界的にも少なく、飼育方法に不明点が多い種だけに、同園での記録の蓄積は保全上も貴重です。さらに、沖縄県宮古島市に分布するミヤコカナヘビ、国の天然記念物であるミヤコタナゴ、絶滅危惧IB類のグレビーシマウマなども飼育し、来園者に身近な動物との出会いを届けながら、希少種を未来へつなぐ役割も担っています。
