施設の特徴
京都大学白浜水族館の特徴
南紀の海だけで約500種、無脊椎動物が主役級
京都大学白浜水族館は、京都大学瀬戸臨海実験所の附属施設として、白浜周辺にすむ魚と無脊椎動物にこだわって展示する水族館です。常時展示される生物は約500種で、展示生物は紀伊半島の海にいるものが中心。ロウニンアジ、ギンガメアジ、エイラクブカなどの大型魚・サメ類に加え、サンゴ、貝、エビ、カニ、ウニ、ヒトデ、ナマコ、ホヤなど、背骨のない海の生きものが展示の大きな柱です。なかでも無脊椎動物は約250種とされ、一般的な水族館では脇役になりがちな分類群を、南紀の海の多様性として正面から見せています。
240トン大水槽と分類展示で、比べて観察できる
展示方法の見どころは、迫力と細部観察の両方を備えていることです。第1水槽室では、240トンの大水槽でアジ類やサメ類が泳ぐ姿を広く見せ、第2水槽室では無脊椎動物を分類群ごとに細かく展示します。ウニだけでも複数種、ヒトデやカニ、貝類も種類ごとに並ぶため、同じ仲間でも形、色、棘、脚、殻の違いを見比べやすい構成です。さらに、干潟、岩礁、海底などの環境別展示と、魚の分類群別展示が組み合わされており、「どこにすむか」と「どんな仲間か」の両面から海の生物を理解できます。
研究所附属ならではの飼育と観察の積み重ね
飼育・研究面では、隣接する瀬戸臨海実験所との結びつきがこの水族館の核です。白浜周辺は黒潮の影響を受け、温帯性の生物に加えて亜熱帯性の生物も見られる地域で、岩盤、礫、砂、泥など多様な底質環境がそろっています。そうした海から集めた生きものを、分類群ごと、環境ごとに維持して見せるには、水質、循環、隠れ場所、餌、季節変化への細かな管理が欠かせません。館内の一部では、時期が限られる生物や採集されにくい生物も扱い、大学の臨海研究で培われた観察眼が展示に反映されています。
磯採集と飼育体験で、海の生きものを自分で調べる
京都大学白浜水族館の魅力は、展示を見るだけでなく、白浜の海で生きものを探す体験へつながることにもあります。磯採集体験では、水族館裏の磯で生きものを採集し、図鑑を使ってその場で名前を調べる学びが行われています。飼育体験では、水槽の循環システムや餌やりなど、展示を支える仕事にも触れられます。1930年に一般公開を始め、現在営業する日本の水族館の中でも古い歴史をもつ施設でありながら、展示の主役は今も南紀の海の生きものそのもの。大型魚の迫力からウニやホヤの細部まで、海の多様性を研究者の目線でじっくり味わえる水族館です。
