施設の特徴
紀宝町ウミガメ公園の特徴
産卵地のそばで出会う、ウミガメ中心の水族館
紀宝町ウミガメ公園は、アカウミガメが上陸・産卵することで知られる七里御浜・井田海岸の近くにある、ウミガメ保護啓発を核にした水族館です。展示の主役は、アオウミガメやタイマイなどのウミガメたち。館内では、1998年生まれのアオウミガメ「みえちゃん」やタイマイ「たいこちゃん」のように、種類・性別・個体ごとの性格まで紹介されており、ウミガメを“遠い海の生きもの”ではなく、一頭ずつ違う個性をもつ存在として見られます。ウミガメ以外にもリクガメや淡水ガメなど10種類以上のカメを観察でき、カメ類に特化した展示として三重県内でも個性が際立っています。
大きなプールと水中窓で、泳ぎを立体的に観察する
展示方法の特徴は、ウミガメを大きなプールで泳がせ、上からだけでなく水中窓からも観察できることです。水面に浮かんで呼吸する瞬間、前肢を翼のように動かして進む姿、プールの中でゆったり旋回する動きなど、ウミガメ特有の泳ぎ方が分かりやすく見えます。資料展示ではウミガメの生態や地域の保護活動を学べるため、プールで見た行動と知識が結びつきやすい構成です。全国で唯一、ウミガメ水族館を併設した道の駅として紹介される施設でもあり、休憩場所ではなく“ウミガメを知るための入口”になっている点が大きな魅力です。
混獲個体の保護と産卵調査を続ける保全拠点
繁殖・飼育の面で特に重要なのは、展示が保護活動と直結していることです。紀宝町ウミガメ公園では、七里御浜で打ち上げられたウミガメのストランディング調査、定置網にかかった混獲個体の一時保護、個体情報の記録やタグ付け、回復後の放流などを行っています。また、アカウミガメの産卵シーズンには海岸をパトロールし、上陸や産卵の有無、産卵巣、卵数、孵化率などを確認します。ここでの飼育は、単に長く展示するためだけでなく、傷ついた個体を回復させ、野生の海へ戻すための技術にもつながっています。
ふれあいから、海の環境問題へ目を向ける
補助的な魅力として、ウミガメタッチや餌やり体験のように、来館者がウミガメとの距離を縮められる参加型の展示があります。甲羅や前肢の質感、餌に反応して近づく行動を実感すると、ウミガメがただの保護対象ではなく、呼吸し、食べ、泳ぐ一頭の生きものとして記憶に残ります。さらに、海水温の変化や海洋環境の悪化がウミガメの暮らしに関わることも伝えており、かわいさや珍しさから入って、野生個体の保全へ考えを広げられる構成です。紀宝町ウミガメ公園は、ウミガメを見て、触れて、守る理由まで学べる、地域の海と直結した水族館です。
