施設の特徴
五月山動物園の特徴
国内最多のウォンバットを軸にした、オーストラリア色の濃い動物園
五月山動物園は、「日本で2番目に小さい」規模ながら、ウォンバットの飼育で国内有数の存在感を持つ動物園です。1990年に池田市とオーストラリア・ローンセストン市の姉妹都市交流をきっかけにウォンバットが来園し、2025年には新たに2頭を迎えて、園内のウォンバットは5頭になりました。これは国内最多と紹介されており、関西どころか日本国内でもウォンバットを複数個体で見られる貴重な施設です。ウォンバットは、ずんぐりした体で地中に長い巣穴を掘る有袋類。ゆっくり歩く印象とは裏腹に走る力もあり、四角いふんをすることでも知られます。園にはエミュー、アカクビワラビー、ヒツジ、ヤギ、シェトランドポニー、メンフクロウ、モルモットなども暮らし、オーストラリア由来の動物と、地域に親しまれてきた家畜・小動物をつなげて見られるのが特徴です。
動物と人の境界をゆるめる展示へ
展示方法の核にあるのは、動物を一方的に「見る」のではなく、動物と人がほどよい距離で同じ場を共有するという考え方です。リニューアル後の「Satsukiyama DAYZOO」では、ウォンバットの穴掘り行動を引き出す土や巣穴状の環境づくり、ワラビーだけが通れる幅に調整した柵、エミューのパドックを眺めながら過ごせるライブラリーなど、種ごとの安心できる居場所を重視した設計が進められています。ヤギやヒツジ、ワラビー、エミューを「ウォンバットの仲間たち」として見せる構成も、単なる動物の羅列ではなく、動物同士の距離感や個性を観察する入口になっています。大阪府内の都市公園型動物園としては、動物福祉を前面に出して展示そのものを作り替えている点が大きな個性です。
繁殖・飼育の面では、1992年にウォンバット「ワイン」と「ワンダー」の間に「サツキ」が誕生し、飼育下繁殖として国内初、世界でも2例目とされる成果を残しています。翌年にも「サクラ」が生まれ、五月山動物園は小さな園でありながらウォンバット飼育の技術を積み重ねてきました。現在もアニマルウェルフェアを重視し、動物の本来の行動を引き出す環境エンリッチメント、自発的に健康チェックへ参加するハズバンダリートレーニングを取り入れています。さらに京都大学の研究室と連携し、ウォンバットの温熱環境や、非接触レーダーによる呼吸・心拍の計測にも挑んでいます。長寿個体の健康管理、繁殖の歴史、研究連携が重なることで、五月山動物園は「かわいいウォンバットに会う場所」を超え、国内のウォンバット飼育を支える拠点としての魅力を持っています。
