施設の特徴
奄美海洋展示室の特徴
奄美の海を代表する生き物が集まる展示
奄美海洋展示室は、「海と人との共生」をテーマに、奄美大島の海にすむ生き物と島の暮らしの関わりを紹介する水族館です。主役になるのは、アオウミガメや熱帯魚、エビ・カニ・貝類、サンゴ礁の生態など、奄美の海を形づくる生き物たち。なかでも特筆したいのはウツボの展示で、奄美大島周辺に多くの種類が生息することを背景に、40種類以上を常時展示する日本最大級のウツボ展示として紹介されています。奄美で採集された267種の貝殻標本や、奄美大島で発見され話題になったアマミホシゾラフグのサークル状の巣の模型など、島の海ならではの生物多様性を立体的に知ることができます。
150トンの大水槽で見る、奄美の海中地形
展示方法の核は、水深約5m・水量約150トンの大水槽です。単に魚を泳がせるのではなく、奄美の海に見られる浅場の「イノー」や、沖で急に深くなる「シーバナ」といった海中地形を再現しているのが特徴。ウミガメや奄美になじみ深い魚たちが、サンゴ礁の浅瀬から深場へつながる環境の中をゆったり泳ぐため、来館者は“水槽の中の魚”ではなく、“奄美の海で暮らす魚”として観察できます。2階の浜辺を模した場所ではウミガメが近くまで寄ってくる構成になっており、海岸に隣接する地域の水族館らしく、実際の浜辺と展示がゆるやかにつながって見えるのも魅力です。
ウミガメと向き合う保護・飼育の取り組み
奄美海洋展示室は、ウミガメを見せるだけでなく、保護・飼育・放流にも関わる施設です。けがをした個体や、ふ化直後に弱っていた個体を保護し、体調や成長を見ながら海へ返す取り組みが行われています。近年も、砂浜でふ化したあと巣穴に残されていたアカウミガメを保護し、数年にわたり飼育したのち、大浜海岸から放流した事例が報じられています。展示水槽でウミガメの姿を間近に見る体験は、そのまま「海へ帰すまでの飼育管理」への理解にもつながります。奄美の砂浜で生まれ、展示室で回復・成長し、再び海へ戻るという流れを知ると、ウミガメが観賞対象ではなく、地域の海と人が見守る野生動物であることが伝わってきます。
ふれあいと学びがつながる海の入口
参加型の魅力として、アオウミガメへのエサやり体験が用意されている点も見逃せません。来館者は、ウミガメの口の動きや首の伸ばし方、泳ぎながら近づいてくる様子を近距離で観察できます。さらに館内では、サンゴや砂、貝殻を使ったクラフト体験、奄美の海に潜ったような感覚を味わえるVR、クジラやアオウミガメの骨格展示などもあり、生き物を「見る」だけで終わらせない構成です。海水浴や自然観察の前に立ち寄ると、目の前の海にどんな生き物がいて、どんな環境に支えられているのかを知ったうえで奄美の海を眺められる、島の海の入口のような水族館です。
