施設の特徴
大島公園動物園の特徴
溶岩の島で、国内最大級の群れを観察する
大島公園動物園は、伊豆大島の火山地形と照葉樹林を活かしながら、約60種400点の動物を展示する東京都立の動物園です。生物展示の主役は、自然の溶岩を利用したサル島で暮らすワオキツネザルとバーバリーシープ。ワオキツネザルはマダガスカル島南西部にすむ絶滅危惧種で、白黒の長い尾と、地上にもよく下りる行動が特徴です。バーバリーシープは北アフリカの岩場や乾燥地に適応した動物で、ヒツジとヤギの中間のような姿と立派な角が目を引きます。この2種はいずれも同園で国内最多の飼育頭数を誇るとされ、東京の動物園の中でも「群れそのものの迫力」を見られる点で際立っています。ほかにも、カラスバト、ハワイガン、アルダブラゾウガメ、シセンレッサーパンダなど、希少性や保全の文脈を持つ動物に出会えます。
島の自然を展示空間に取り込む、野外型の見せ方
展示方法の大きな特徴は、人工的な檻を前面に出すのではなく、伊豆大島の自然そのものを動物のくらしに重ねて見せていることです。サル島は溶岩でできた放飼場を活かした複合展示で、中央に約60mの橋がかかり、ワオキツネザルとバーバリーシープをさまざまな角度から観察できます。動物が岩場を移動する姿、群れで過ごす距離感、種の違う動物が同じ空間を使い分ける様子まで見えるのが魅力です。さらにフライングケージは、ヤブツバキやスダジイなどの自然林を囲い込んだ大型ウォークインバードケージで、林、池、平地といった環境を分けながら、カラスバト、オシドリ、フラミンゴ、ハワイガンなどの鳥類に加え、カピバラやパルマワラビーも展示しています。日本でも屈指の規模と紹介されるこのケージでは、鳥を「見る」だけでなく、木陰、水辺、地面をどう使うかまで追えるのが強みです。
繁殖・飼育の面では、希少種を長く飼い、次世代につなげる取り組みが見どころです。サル島ではワオキツネザルとバーバリーシープの複合展示に加えて累代繁殖が行われ、バーバリーシープは春から夏にかけて子どもが生まれることもあります。単に多く飼っているだけでなく、群れの中で繁殖と世代交代が続いている点が、この展示の厚みです。また、大島公園動物園は東京都のズーストック種を複数扱い、レッサーパンダ、ショウジョウトキ、オニオオハシ、ノスリ、ワオキツネザル、バーバリーシープなどを保全の視点でも紹介しています。国内で初めて日本の天然記念物であるカラスバトの繁殖に成功した動物園としても知られ、野生復帰が難しい傷病鳥獣の一部を展示するなど、島の動物園でありながら、国内レベルの希少種飼育・繁殖に関わってきた施設です。
