施設の特徴
ハートフル桶西水族館の特徴
古代魚と淡水魚を軸にした、高校生運営の本格水族館
ハートフル桶西水族館は、埼玉県立桶川西高等学校の科学部が管理・運営する、全国的にも珍しい一般公開型の高校水族館です。展示の中心は淡水魚で、稀少な肺魚などの古代魚を多数飼育し、「魚類から両生類への進化」を大きなテーマにしています。アイスポット・シクリッド、アミア・カルバ、イェンツーユイ、ノーザンバラムンディ、ポリプテルス、プロトプテルス類、ピラニア類、コリドラス類など、一般的な小型観賞魚だけでは収まらない構成が特徴です。両生類のアカハライモリ、爬虫類のニホンヤモリも加わり、水辺の生き物から陸上動物へのつながりを感じられる展示になっています。
約40本の水槽で「進化」と「違い」を見せる展示
展示室には、180cm水槽2本、150cm水槽3本、120cm水槽18本などを含む約40本の水槽が並び、淡水魚を中心に約50種類・約800匹を飼育しています。学校の理科室を生かした展示でありながら、水槽規模はミニ水族館の域を超えており、大型魚や群泳する熱帯魚をゆったり見せられる点が魅力です。魚そのものの展示に加え、肺魚やシーラカンス類、古代の条鰭魚類、原始的な両生類の化石・レプリカも置かれ、現生の古代魚と化石資料を見比べながら、魚類から両生類へ向かう進化の流れを立体的に理解できます。一般公開する水族館を持つ普通高校は全国でも限られており、高校生が来館者に解説する点もこの施設ならではです。
繁殖魚を出前水族館に生かす、実践型の飼育活動
飼育面では、科学部員が日々の給餌、水質管理、観察、展示解説まで担っていることが大きな特徴です。公式資料では、頻繁に繁殖している数百匹の稚魚を除いて約800匹を飼育しているとされ、校内展示だけでなく「出前水族館」にも、館内で繁殖した色鮮やかな熱帯魚を群泳展示として活用しています。過去の歩みには、アフリカの肺魚プロトプテルス・エチオピクスの産卵、ピラニアの世代継続、サケ稚魚の荒川放流、ヘイケボタルの飼育と放流なども記録されており、鑑賞用に飼うだけでなく、繁殖・成長・地域の自然との関わりまで含めた飼育実践が積み重ねられてきました。
地域へ出ていく“移動する水族館”としての魅力
ハートフル桶西水族館は、校内で待つだけの水族館ではありません。地域イベントでは90cm水槽を複数本使った出前水族館を行い、時には荒川流域の在来生物・外来生物を小型水槽で並べて見せたり、スッポンやカメの展示、カメタッチ、釣りゲームなどを組み合わせたりしています。古代魚や熱帯魚の華やかさと、身近な川の生き物を比較できるため、来館者は「きれい」「珍しい」で終わらず、生き物を飼う責任や地域の生態系にも目を向けられます。高校生が飼育者であり案内役でもあることが、展示に温かさと説得力を与えている水族館です。
