施設の特徴
なぎさ水族館の特徴
周防大島の海をそのまま持ち込む、小さな島の水族館
なぎさ水族館は、周防大島近海の生き物を主役にした水族館です。展示される生物は、飼育員が自ら採集したものや地元漁師から提供されたものが中心で、サメ、エイ、ヒトデ、ナマコ、タコ、ヤドカリ、ウニ、瀬戸内海の魚たちなど、島の海で実際に出会える生き物が並びます。特に見逃せないのが、周防大島近海に世界最大級とされる群生地をもつニホンアワサンゴの展示です。山口県内でも、地域の海域そのものを背景に、サンゴ・クラゲ・磯の生き物まで一体で見せる水族館として個性が際立っています。
国内最大級の屋内タッチングプールで“触れて学ぶ”
展示方法の核は、国内最大級と紹介される屋内タッチングプールです。裸足で入れるプールには、ヒトデやナマコなどの磯の生き物に加え、ドチザメ、ネコザメなど大型の生き物も展示され、見るだけでなく、手足の感覚で海の生き物の質感や動きを知ることができます。別に設けられたおさわりコーナーでは、ウニやナマコなどをより落ち着いて観察でき、瀬戸内の潮だまりを室内に再現したような体験が魅力です。魚の味や毒、生態を紹介する手書きポップもあり、小規模ながら“身近な海を深く読む”展示になっています。
ニホンアワサンゴの人工繁殖と新種クラゲ発見の実績
飼育・研究面では、ニホンアワサンゴの調査研究と人工繁殖が大きな柱です。周防大島近海の群生地は、2013年に瀬戸内海初の海域公園に指定された海域で、水族館ではその生態を調べながら展示を続けています。2016年には、飼育員が幼生を採集して育てたニホンアワサンゴの繁殖に成功し、小さな水族館ながらサンゴ飼育技術の面で全国的にも注目されました。さらに、飼育員と研究機関の共同調査により、周防大島で採集された小さなクラゲが新属新種と判明し、シトウズクラゲと命名されています。
“島の人と飼育員”で育てる地域密着型の展示
なぎさ水族館の魅力は、珍しい生き物を集めるだけではなく、周防大島の海を知る人たちが展示を支えている点にもあります。地元漁師が持ち込む魚、飼育員が海で探すクラゲ、近海のサンゴ群生地をめぐる調査が、そのまま展示内容に反映されます。大型水槽で圧倒するタイプの水族館ではありませんが、瀬戸内海の足元にいる生き物と、世界最大級のニホンアワサンゴ群生地、新種クラゲの発見がひとつにつながる場所として、山口県内でも独自性の高い“生きた海の観察室”といえます。
