施設の特徴
オホーツクタワーの特徴
流氷の海に暮らす生物を見つめる、オホーツク特化型の水族展示
オホーツクタワーは、オホーツク海そのものを展示空間に取り込んだ水族館的施設です。海底階のミニ水族館では、チョウザメ、オオカミウオ、タコ、ヒトデ、ナマコ、ウニ、流氷の天使として知られるクリオネなど、冷たい海に関わりの深い生き物を観察できます。南国の熱帯魚を華やかに並べるタイプではなく、流氷が来る海の生態を主役にしている点が個性です。氷海域の海中展望塔として世界初、日本最北端・最大級と紹介される施設で、北海道内でも「流氷の下の海」を生物目線で見られる展示はきわめて独自性があります。
11枚の海中窓で、自然の海をそのまま観察する
展示方法の最大の特長は、海底階に設けられた大小11枚の海中観察窓です。人工水槽だけで完結せず、水深約7.5mの海中から、季節ごとに変わるオホーツク海の濁り、光、プランクトン、魚影を直接見る構成になっています。海底階は「海底洞窟」を思わせる空間づくりで、水槽展示の魚介類と、窓の外に広がる本物の海を行き来しながら見比べられるのが魅力です。特に冬は、上階から流氷を眺め、下階ではその下にある海中世界を観察できるため、流氷を景色ではなく生態系として捉えられます。
チョウザメの餌やりとタッチプールで、体のつくりを学ぶ
飼育展示では、チョウザメの餌やり体験が印象的です。チョウザメはサメの名を持ちながら硬骨魚の仲間で、吻の下にある感覚器や下向きの口を使って餌を探す魚。餌を吸い込むように食べる様子を近くで観察できるため、姿の迫力だけでなく、底生生活に適した体のつくりまで伝わります。タッチプールではヒトデ、ナマコ、ウニなどに触れられ、ウニの管足や口、ナマコのやわらかな体など、図鑑だけでは分かりにくい無脊椎動物の特徴を体感できます。小規模ながら、観察と接触を組み合わせた飼育展示が成り立っている点は、地域の海を学ぶ水族館として大きな強みです。
研究観測施設として、オホーツクの海を見守る拠点
オホーツクタワーは観光施設であると同時に、海洋科学観測研究施設の機能も併せ持っています。紋別市のオホーツクプログラムでは、流氷をはじめ、気象・海象・生態系を調査する取り組みの中で、タワー周辺を海洋モニタリングの拠点として活用しています。海水温や塩分、クロロフィル量などの蓄積データは、流氷の変化や植物プランクトンの増え方を読み解く基礎にもなります。繁殖実績を前面に出す水族館ではありませんが、目の前の海を長く観測し続けることで、オホーツク海の生物環境を守り、伝える役割を担っている施設です。
