施設の特徴
福岡市動物園の特徴
対馬の希少ネコと熱帯林の類人猿に出会える
福岡市動物園は、ツシマヤマネコやボルネオオランウータンなど、絶滅危惧種の存在感が際立つ動物園です。ツシマヤマネコは日本では長崎県対馬だけに生息する野生ネコで、生息数は100頭弱と推定される絶滅危惧ⅠA類。短い脚、長めの胴、耳の裏の白い斑紋など、イエネコとは異なる野生動物としての特徴を観察できます。ボルネオオランウータンも絶滅危惧ⅠA類に分類される大型類人猿で、野生では樹上で暮らす最大級の哺乳類です。福岡市動物園では、対馬の固有の野生動物と、ボルネオ島の熱帯雨林に生きる類人猿を同じ園内で見られ、地域の自然と世界の生物多様性をつなげて学べます。
日本初の混合飼育で、樹上生活の動きを引き出す
展示方法で特に注目したいのが、「アジア熱帯の渓谷エリア」です。ここではオランウータンとシロテテナガザルの混合飼育に日本で初めて取り組み、約450平方メートルの屋外放飼場や高さ15メートルのタワー、ロープを使って、樹上で暮らす動物の動きを引き出しています。オランウータンがゆっくりロープを渡る姿、テナガザルが俊敏に移動する姿を、空中観察デッキやガラス越しなど複数の角度から見られるのが魅力です。コツメカワウソの水中での泳ぎ、シシオザルやビントロングの樹上性の動きも同じエリアで観察でき、単体展示ではなく「アジアの森にすむ動物たちの暮らし」を立体的に見せる構成になっています。
ツシマヤマネコ保全を担う、繁殖と飼育技術の拠点
繁殖・飼育の面では、ツシマヤマネコの保全が福岡市動物園の大きな柱です。同園は全国の動物園で初めてツシマヤマネコの飼育を開始し、国内で初めて飼育下繁殖にも成功した施設として知られています。環境省と日本動物園水族館協会が進める生息域外保全の中でも、福岡市動物園は飼育下繁殖の第一拠点施設に位置づけられ、遺伝的多様性を保ちながら命をつなぐ役割を担っています。2026年にも同園でツシマヤマネコの赤ちゃんが誕生しており、性ホルモン検査など大学との連携も行われています。ハズバンダリートレーニングや飼育員によるガイド、バックヤードに関する発信もあり、動物を「見る」だけでなく、健康管理や繁殖を支える技術まで感じられる動物園です。
