施設の特徴
相模川ふれあい科学館「アクアリウムさがみはら」の特徴
相模川の約100種類の生き物を、川の一生として見る
相模川ふれあい科学館「アクアリウムさがみはら」は、相模川とその周辺にすむ淡水魚・両生類・水生昆虫などを中心に、約100種類の生き物を紹介する地域密着型の水族館です。相模川の象徴であるアユをはじめ、サクラマス、タナゴ類、カニ類、エビ類、サンショウウオ、アカハライモリ、カエル類など、川・小川・水田・湿地・河口へとつながる水辺の生物を幅広く扱っています。特にミヤコタナゴは、関東平野の固有種で国指定天然記念物にあたる小型淡水魚で、神奈川県内では野生で見ることができず、市立相模川ふれあい科学館と神奈川県水産技術センター内水面試験場の飼育展示で見られるとされています。身近な川をテーマにしながら、実は希少な淡水魚の存在にも出会える点が大きな魅力です。
113kmの流れを40m水槽でたどる、行動が見える展示
展示方法の核となるのは、相模川の水源から河口まで全長113kmの流れを、長さ40mの水槽で表現した「流れのアクアリウム」です。上流・中流・下流・河口という環境の違いに合わせて魚を見せるため、単に種類を並べるのではなく、「どの魚がどんな場所で暮らすのか」が自然に伝わります。足元を泳ぐ魚を観察できる水上散歩水槽、ドーナツ型で多方向から魚を見られる坂道お魚観察水槽、ロープを伝って移動するベンケイガニ類の木登り水槽など、魚や甲殻類の動きを引き出す展示も個性的です。アユやモクズガニの回遊を模型と音声で学べる装置、魚の捕食・移動・繁殖を扱うデジタル展示もあり、神奈川県内の水族館の中でも、相模川という一つの河川生態系をここまで細かく体験型に見せる施設として特色があります。
飼育研究と解説で、淡水生物の小さな命に目を向ける
繁殖・飼育の面では、ミヤコタナゴの稚魚をテーマにしたトピック水槽のように、飼育現場で今伝えたい生き物の変化を来館者に近い距離で紹介しています。また、研究機関と協力した調査・研究にも継続的に取り組んでおり、イシガイ類の幼生が魚に寄生して移動する生態や、塩分への耐性に関する研究成果が論文として公表されています。淡水二枚貝はタナゴ類の産卵とも関わる重要な生き物で、魚だけを見せるのではなく、魚を支える貝、昆虫、湿地の生物まで含めて川の命を考えられるのがこの施設らしさです。飼育スタッフによる解説イベントや魚への給餌体験もあり、口コミでも「川魚を近くで見られる」「子どもが生き物を学びやすい」「小規模でも展示が分かりやすい」といった声が見られます。派手な海獣ショーではなく、相模川の生き物の暮らしをじっくり観察し、地域の自然を守る視点まで持ち帰れる水族館です。
