施設の特徴
ときわ動物園の特徴
希少な霊長類を中心に、群れと行動で見せる動物園
ときわ動物園は、山口県内初の動物園を前身に持ち、現在は希少な霊長類を中心に「生息環境展示」を軸とした動物園づくりを進めています。主役級の存在はシロテテナガザルで、国内最多規模の飼育数を背景に、複数の家族群を観察できる点が大きな特徴です。長い腕で枝から枝へ移動する樹上生活、家族単位の暮らし、なわばりを示す大きな鳴き声など、単独個体では伝わりにくいテナガザル本来の生態を見られます。さらに、ボンネットモンキーも46頭規模の群れで飼育されており、群れの順位関係や採食、移動、水場での行動まで含めて、霊長類の社会性を読み解ける展示になっています。
国内初の水モート展示と、環境ごとの見せ方
展示方法の核は、檻や柵で囲い込むのではなく、動物の性質を利用して空間を分けることです。シロテテナガザルは水を苦手とするため、池の中の島で暮らす「水モート」展示を採用し、隣り合う島で複数家族を展示する方式は国内初とされています。本物の高木や倒木を使い、樹高10mほどの場所で枝渡りする姿を引き出しているため、来園者は地上から見上げる形で、森の上層を移動するサルの身体能力を体感できます。ボンネットモンキーとコツメカワウソの同居展示も国内初で、水にもぐれるサルと水辺に強いカワウソが、互いを意識しながら過ごす緊張感まで観察できるのが面白いところです。
世界を旅するように、生息地ごとの動物を比べる
園内はアジアの森林、中南米の水辺、アフリカの丘陵・マダガスカル、山口宇部の自然といった環境別の構成になっています。中南米の水辺ゾーンでは、アマゾン川流域やパンタナール湿原を思わせる空間で、カピバラやジェフロイクモザル、フサオマキザルなどを展示。フサオマキザルが来園者の頭上に現れる動線もあり、樹上性の動物を横からではなく下から見上げる視点で楽しめます。アフリカ・マダガスカルのエリアでは、世界最速のサルとして知られるパタスモンキー、岩場に暮らすミーアキャット、半砂漠有棘林のワオキツネザル、降雨林のエリマキキツネザルを対比でき、同じ霊長類でも環境への適応が大きく異なることが自然に伝わります。
繁殖・飼育技術の蓄積が支える、行動を引き出す展示
ときわ動物園の飼育の強みは、動物を「見せる」前に、動物が健康に暮らし、本来の行動を選べる環境を整える考え方にあります。シロテテナガザルでは過去に赤ちゃんの誕生があり、母親が複数回の出産を経験して子育てする様子も紹介されてきました。群れや家族の関係を保ちながら展示することは、繁殖や子育て、社会行動の観察にもつながります。歴史的には、モモイロペリカンの人工ふ化・育雛で知られ、1985年に誕生した「カッタ君」は全国的な話題となりました。現在も日本動物園水族館協会加盟園として、希少動物の保全、飼育下繁殖、調査研究、感染症対策を含む健康管理に取り組みながら、動物の暮らしそのものを学べる動物園として発展しています。
