施設の特徴
加茂荘花鳥園の特徴
花菖蒲・アジサイと水鳥が主役の“花鳥”の園
加茂荘花鳥園は、花菖蒲とアジサイを軸に、マガモやコールダックなどの水鳥も見られる、植物園と花鳥園の性格をあわせ持つ施設です。生物展示として特に目を引くのは、花菖蒲の圧倒的な品種数と株数、そして同園が改良してきたアジサイ「KAMOセレクション」の存在です。観光情報では花菖蒲を約1500品種・100万本規模で保存・栽培すると紹介され、アジサイについても国内有数の品種開発・展示を行う施設として扱われています。静岡県内の花の名所の中でも、単に季節の花を眺めるだけでなく、品種そのものの多様性を見比べられる点が大きな魅力です。
育種の現場をそのまま見せる展示スタイル
展示方法の核は、公式が掲げる「育種観光園芸」という考え方です。完成された庭園を鑑賞するだけでなく、新しい品種が生まれていく現場を来園者がそのまま見られるのが、加茂荘花鳥園ならではの見せ方です。展示温室では、ダンスパーティー、こんぺいとう、てまりてまり、ラピスラズリ、モナリザなど、名前も花形も個性的なアジサイが並び、花色、装飾花の形、咲き方の違いを近距離で観察できます。花菖蒲園では水辺の環境と花の群落が一体になり、放鳥されたカモが動くことで、植物だけでなく湿地的な景観の中の生きものの気配も感じられます。
品種改良と増殖管理まで見える植物園
繁殖・飼育の面では、鳥類よりも植物の育種・増殖がこの施設の中心です。アジサイは1992年から庭園植栽向けの品種改良に取り組み、花付きがよく、丈夫で、庭植えにも向く系統を目標に改良が続けられています。これは一般的な植物展示というより、園芸品種を選抜し、増やし、来園者に見せる研究・生産の現場に近い取り組みです。苗の販売や通信販売も行われており、鑑賞用の展示で終わらず、選抜された品種が各地の庭へ広がっていく流れまで含めて、植物の繁殖管理を感じられます。
鳥との距離が近い花鳥園らしい体験
鳥類展示では、マガモやコールダックなどの水鳥に加え、時期や展示状況によってフラミンゴ、シギ類、ヘラサギ、オシドリ、ウズラ、クジャク、烏骨鶏などが紹介されてきました。水鳥ふれあいエリアや鳥とのふれあいエリアでは、鳥が人の近くまで来る距離感を生かし、羽の質感、くちばしの形、歩き方、群れでの反応を観察しやすくしています。花を背景に鳥の行動を見られる点は、動物園単独でも植物園単独でも味わいにくい特徴です。花の品種改良と、水辺を歩く鳥たちの姿が同じ空間でつながることで、「花鳥園」という名前どおり、生きもの同士の景色として楽しめる施設になっています。
