施設の特徴
鳥取県立氷ノ山自然ふれあい館響の森の特徴
イヌワシやヤマネがすむ氷ノ山の森を知る
鳥取県立氷ノ山自然ふれあい館響の森は、氷ノ山後山那岐山国定公園の鳥取県側にある自然体験施設です。氷ノ山は標高1,510mで、中国山地では大山に次ぐ高峰とされ、ブナの自然林や高山性の植物、天然記念物のイヌワシやヤマネをはじめとする動物が生息しています。館の展示は、そうした氷ノ山の生物を「山にすむ野生動物」として紹介することが軸です。哺乳類ではツキノワグマ、ニホンジカ、ホンドモモンガ、ヤマネ、テンなど、鳥類ではアカゲラ、アオゲラ、アカショウビン、トビなどが取り上げられ、チョウや甲虫も含めて、鳥取県側の氷ノ山の生物相を幅広く知ることができます。
直径23m・高さ10mの森のジオラマ
展示方法で特に印象的なのが、氷ノ山のブナの森を再現した「森のジオラマ」です。直径23m、高さ10mの大きな空間に、氷ノ山にすむ野生動物の剥製などを配置し、らせん状の回廊を歩きながら森の中へ入っていくように観察できます。スコープを使って動物を探す仕掛けもあり、単に標本を眺めるのではなく、「森のどこに隠れているか」「どんな環境で生きているか」を想像しやすい展示です。鳥取県内の自然系施設の中でも、氷ノ山という具体的なフィールドを原寸感のあるジオラマで体験できる点が、この館の大きな個性です。
標本づくりと観察記録で、森の生物を残す
飼育下繁殖を見せる施設ではありませんが、響の森の生物への向き合い方は、氷ノ山の生きものを観察し、記録し、標本として残すことにあります。館内の「ネイチャーラボ」では、スタッフが行う昆虫、骨格、植物などの標本作りを見学でき、標本が研究や学習のためにどう作られるのかを知る入口になります。公式のイキモノ図鑑でも、ヒメオオクワガタ、オニクワガタ、アサギマダラ、ミヤマカラスアゲハ、アカショウビンなど、氷ノ山周辺で確認された生きものが具体的に紹介されています。生体を増やす繁殖展示ではなく、地域の自然を記録として積み重ねる自然史施設としての役割が魅力です。
インタープリターが展示と実際の森をつなぐ
響の森には、自然解説を行うインタープリターが常駐し、展示で見た生きものを実際の氷ノ山の自然へつなげてくれます。野鳥観察、植物観察、ヘビや棚田の生きもの観察、スノーシューでの雪上ハイキングなど、季節ごとの自然体験では、図鑑や剥製だけでは分からない動き、鳴き声、足跡、食痕といった生きものの気配を探せます。イーグルスカイシアターでは、氷ノ山の象徴的な存在であるイヌワシの視点から山の自然を眺める映像も楽しめます。展示室で森を予習し、フィールドで本物の生物の痕跡に出会う流れが、響の森らしい学び方です。
