施設の特徴
新潟県立自然科学館の特徴
トキから恐竜まで、新潟の自然を広い時間軸で見る
新潟県立自然科学館は、1981年に開館した参加・体験型の総合科学館で、「自然の科学」エリアでは宇宙、地球、生物、ミクロの世界へと視点を下げながら生命を見ていける構成になっています。生物展示で特に新潟らしいのは、野生下で捕獲された2羽のトキの剥製を通して、その姿や生態を紹介している点です。翼を広げると約1m40cmになる鳥としての大きさを実感でき、県鳥として知られるトキを、単なるシンボルではなく実在の野生動物として見つめ直せます。さらに、ナウマンゾウの全身骨格模型、ゾウの歯の進化、恐竜の歯・脚の骨・卵・フンなどの化石、ブナ林にすむ生物の展示までそろい、新潟県内の科学館としては、身近な自然と古生物を一続きに学べる幅の広さが魅力です。
動く恐竜、触れる化石、探すブナ林
展示方法は、標本を眺めるだけで終わらせない「触れて確かめる」設計が目立ちます。親子恐竜マイアサウラ劇場では、子育てをしていたと考えられるマイアサウラを物語仕立てで見せ、ジオラマ内にはティラノサウルスやトリケラトプスも登場します。恐竜を“骨の名前”ではなく、白亜紀の生きものとして想像しやすいのが特徴です。化石展示では、本物の恐竜の歯や骨、卵、フンなどに触れられるものがあり、肉食恐竜の歯の形を手ざわりから考えられます。ブナ林の環境展示では、季節の移り変わりとそこに暮らす生物を探すように観察でき、顕微鏡や虫眼鏡を使う「科学の目」では、肉眼では見えにくい体の構造へ視点を広げられます。
植物工場と屋外生物管理で、育てる技術にも触れる
生きものを育てる技術として注目したいのが、屋外展示場に設けられた次世代循環型農業体験エリア「アグリウム」です。植物工場では、LEDを使う人工光型栽培や、植物栽培と魚の養殖を組み合わせるアクアポニックスを見学でき、リーフレタスの収穫体験も行われています。ワインドレス、レッドファルダー、グリーンウェーブ、チマサンチュなどを育てる取り組みは、米どころ・農業県としての新潟らしさを、現代の栽培技術として見せる展示です。加えて屋外の鯉池では錦鯉やメダカの水環境を維持する清掃・管理も行われており、展示生物を健康に保つ裏側まで、科学館の日常的な飼育管理として感じ取れます。
身近な自然観察へつながる科学館
屋外の花木園では、季節ごとの植物を観察でき、夏にはセミの抜け殻、秋にはどんぐりなども見られます。館内でトキ、ブナ林、化石、顕微鏡観察に触れたあと、外で実際の植物や昆虫の痕跡を探せるため、展示室の知識がそのまま自然観察へつながるのがこの館のよさです。大型の恐竜展示に惹かれて訪れても、帰るころには「新潟の自然の中にいる生きものをどう見るか」まで視野が広がる、地域の生命を科学の目で読み解く博物館です。
