施設の特徴
我孫子市鳥の博物館の特徴
日本で唯一の鳥類専門館で、鳥だけを深く見る
我孫子市鳥の博物館は、「人と鳥の共存」をテーマにした、日本で唯一の鳥類専門の自然史博物館です。展示の中心は、身近な手賀沼の水鳥から世界の鳥、絶滅鳥、鳥の進化までをつなぐ鳥類標本群。世界の鳥コーナーでは、ダチョウの仲間からスズメの仲間まで、26目157科を視野に集めた268点の標本を見られます。始祖鳥の復元展示、エピオルニスの卵、モア骨格レプリカ、ディアトリマ復元模型などもあり、鳥を「かわいい野鳥」としてだけでなく、羽毛・飛翔・くちばし・脚・生息環境の違いから進化した多様な生物群として理解できるのが大きな魅力です。
手賀沼の四季をジオラマで再現し、観察眼を育てる
展示方法の核は、館内の標本と館外の手賀沼を行き来できるように設計されている点です。常設展示は「手賀沼の自然と鳥たち」「鳥の世界」「人と鳥の共存」の3テーマで構成され、2階では手賀沼の四季をジオラマで再現。広い水面、ヨシ原、水田といった環境の中で、オオバンや水鳥たちがどのように暮らすのかを、標本や解説を通してたどれます。さらに鳥の鳴き声装置も常設され、姿だけでなく声から鳥を知る入口があるのも鳥類専門館ならでは。訪問後に手賀沼周辺を歩くと、展示で見た鳥の形や行動が実際の風景の中で立ち上がってくる構成です。
標本保存と野外調査で、鳥の命を次の知識に変える
生体の繁殖展示を主役にする施設ではありませんが、鳥の博物館は標本収集・保存・調査研究という形で、鳥類の記録と保全に関わっています。日本産鳥類を中心に、雌雄、成鳥・幼鳥、骨格標本を集め、展示や教育普及に活用。交通事故や病死などで死んだ鳥を標本化し、単なる展示物ではなく、未来の研究に使える資料として残している点が重要です。2021年からは山階鳥類研究所の標本データベースを通じて収蔵標本を検索でき、一部標本は3Dデータとして公開されています。
手賀沼の鳥を継続して見守る研究拠点
地域の鳥を見守る活動も、この館の生物面での強みです。手賀沼の水鳥調査や、コブハクチョウの首環・足環による標識調査では、移動範囲、餌場、繁殖状況などを追跡し、外来鳥類と地域環境の関係を考えるための基礎データを集めています。毎月の自然観察会「てがたん」では、鳥だけでなく、植物や昆虫など鳥と関わり合う生き物も観察対象になります。日本で唯一の鳥類専門博物館でありながら、展示室だけで完結せず、手賀沼という生きたフィールドへ読者の目を向けてくれる博物館です。
