施設の特徴
北海道博物館の特徴
マンモスとナウマンゾウから始まる、北海道の生物史
北海道博物館は、北海道の自然・歴史・文化を「北東アジアのなかの北海道」「自然と人とのかかわり」という視点で紹介する道立の総合博物館です。生物展示の入口で強い印象を残すのが、北から北海道へやってきたマンモスゾウと、南からやってきたナウマンゾウの復元骨格。北海道が本州の延長ではなく、北東アジアと日本列島の生き物が交わる場所だったことを、巨大なゾウ類の姿から直感的に理解できます。道内の自然史を広域に扱う博物館として、氷河期の大型哺乳類から現在の森林・川・海の生き物までを一続きに見られる点が魅力です。
生き物同士のつながりを、標本・模型・映像で立体的に見せる
常設展示「生き物たちの北海道」では、アカネズミ、カケス、クマゲラ、クロテン、シマフクロウ、エゾシカ、ヒグマ、アライグマ、サケ、ネズミイルカなど、北海道らしい生き物が登場します。単に種名を並べるのではなく、どんぐりを運ぶネズミやカケス、木に穴をあけるクマゲラ、海から森へ栄養を運ぶサケ、外来種として人間活動と関わるアライグマなど、「食べる・食べられる」「運ぶ」「すみかをつくる」といった生態のつながりを軸に見せる構成です。1・2階合わせて約3,000㎡の総合展示に、実物資料、模型、ジオラマ、映像装置を組み合わせているため、北海道の自然を一つの大きな生態系としてたどれます。
野幌森林公園とつながる、生きたフィールド型の博物館
北海道博物館の生物面での固有性は、館内展示だけでなく、周囲の野幌森林公園と結びついていることにもあります。クローズアップ展示では、野幌森林公園の植物や、アイヌ文化と関わりの深い植物を取り上げる企画が行われ、身近な森の植物を名前・利用・物語の面から知ることができます。札幌近郊にありながら、道立自然公園の森と接続しているため、展示で学んだ生き物の関係を、実際の森の景観へつなげて考えやすいのが特徴です。北海道全域の自然を扱う道立博物館でありつつ、足元の森を観察対象にしている点は、地域性と広域性の両方を持つ強みです。
収蔵・調査研究で、北海道の生き物の記録を残す
生きた動物を飼育繁殖する施設ではありませんが、北海道博物館は標本・資料の収集保存と調査研究によって、生物多様性の記録を未来へ残しています。収蔵資料は約19万件にのぼり、その一部は検索公開され、展示や研究に活用されています。さらに、博物館のある野幌森林公園では、生き物リストをつくり、生態系を調べる「生物インベントリー調査」も継続されています。来館者にとっては、剥製や復元骨格を見るだけでなく、「いま北海道にどんな生き物がいて、過去からどう変わってきたのか」を、博物館の調査活動そのものを通じて知ることができる場所です。
