施設の特徴
徳島県立博物館の特徴
四国初の恐竜化石から徳島の生物多様性へ
徳島県立博物館の常設展は、「徳島まるづかみ!-“いのち”と“とき”のモノ語り」を軸に、徳島の自然・歴史・文化を一体で見せる総合展示です。生物展示で特に目を引くのは「徳島恐竜コレクション」。勝浦川盆地周辺に広がる約1億3000万〜1億年前の白亜紀前期の地層からは、動植物化石が産出しており、四国で初めて恐竜化石が見つかった地域として紹介されています。さらに「徳島の自然とくらし」では、県南部の温暖な環境から剣山周辺の冷涼な高標高域、吉野川・那賀川などの河川環境まで、徳島県内の多様な生息環境と生きものの関係をたどれます。県内の自然を総合的に扱う県立館として、化石から現生生物までを同じ流れで見られる点が魅力です。
映像・VR・コレクション展示で“生物の背景”まで見せる
展示方法は、標本を単独で眺めるだけでなく、生物が生きていた時代や環境、人との関わりまで想像できる構成です。常設展には高精細映像の「遊山シアター」やデジタルコレクションウォールがあり、専用アプリでは音声ガイド、AR、VRを活用した鑑賞もできます。VR体験では「トクシマ・ダイナソー・ツアー」で徳島の恐竜時代を体感したり、「人とアユの知恵くらべ 吉野川 アユ釣り入門!」で川魚と人の技の関係に触れたりできます。生物展示を“標本名の暗記”で終わらせず、地形・気候・暮らしと結びつけて見せる点が、この館らしい見せ方です。
生体飼育より、標本保存と調査研究に強い県域アーカイブ
徳島県立博物館は動物園や水族館のように繁殖・飼育を主目的とする施設ではありません。その代わり、徳島の生物を未来へ伝える標本保存と調査研究に大きな強みがあります。令和7年3月31日時点の収蔵資料は合計64万点を超え、自然系だけでも昆虫約30万点、植物約20万点、無脊椎動物約4万9000点、脊椎動物約2万6000点、地学資料約1万1000点を収蔵しています。地域博物館として徳島県産の動植物、鉱物、岩石、化石をできる限り網羅的に集める方針を掲げ、比較研究のために県外・国外資料も収集している点は、展示の背後にある大きな価値です。
県民と集め、研究成果を更新し続ける自然史展示
常設展の「自然史コレクション」では、ふだん展示されていない動物・植物・化石標本などをテーマごとに紹介し、展示内容が研究や収蔵資料の蓄積と連動して更新されます。また「県民コレクション」では、県民と協働した調査や資料収集の成果も発信されており、徳島県南部の魚類調査のように、県内・四国初記録につながる重要資料を扱うこともあります。来館者にとっては、恐竜化石の迫力、生物多様性の広がり、地域の川や山にすむ生きものの記録が、ひとつの館の中でつながって見えてくる博物館です。
