施設の特徴
つやま自然のふしぎ館の特徴
約800点の実物はく製で世界の動物を見比べる
つやま自然のふしぎ館は、世界各地の動物の実物はく製を中心に、化石、鉱石、貝類、昆虫類など約2万点を常設展示する自然史の総合博物館です。動物展示では、キンシコウ、ローランドゴリラ、アムールヒョウ、シベリアトラ、インドライオン、ホッキョクグマ、ゾウアザラシ、キリン、ナマケモノなど、希少動物や大型動物を含む約800点のはく製が並びます。岡山県内でも、これほど多様な世界の哺乳類・鳥類を原寸に近い立体資料としてまとめて見られる施設は際立っており、図鑑ではつかみにくい体の大きさ、毛並み、筋肉の厚み、頭骨や四肢のつくりを実感できるのが魅力です。
密度の高い展示で、動物の体格差を体感する
展示方法の特徴は、動物を環境再現型の大ジオラマに分散させるのではなく、実物はく製を高い密度で並べ、種ごとの違いを連続して見せることです。ライオン、トラ、クマ、サル、鳥類、海獣などを近い距離で比較できるため、肉食獣の顔つき、霊長類の手足、鳥のくちばし、海獣の体の厚みといった形態の違いが分かりやすくなっています。展示室を歩くほど、同じ哺乳類でも草食・肉食・樹上生活・水中生活で体のつくりが大きく変わることが見えてきます。珍しい動物を一点ずつ眺めるだけでなく、世界の動物の多様性を「大きさ」と「形」で浴びるように観察できる展示です。
はく製保存と修復が支える自然史資料
生体の繁殖や飼育を見せる施設ではありませんが、つやま自然のふしぎ館の生物への向き合い方は、動物の姿をはく製として保存し、後世に残すことにあります。インドライオンやローランドゴリラなど、現在では国際的な取引規制の面から新たに収集することがきわめて難しい動物資料も含まれており、開館時期や収集の歴史そのものが資料価値につながっています。近年は展示はく製の公開修復も行われており、古い標本をただ置き続けるのではなく、毛皮や形状を保ち、学習資料として見られる状態を維持する取り組みが続いています。生きものを増やす技術ではなく、失われやすい姿を残す保存技術が、この館の核です。
化石・昆虫・貝類まで広がる「自然のふしぎ」
動物はく製だけでなく、世界各地の蝶や昆虫、貝類、鉱石、化石も展示されているため、現生動物から古生物、小さな無脊椎動物まで視野が広がります。津山市内を流れる吉井川で発掘された約2,000万年前のヒゲクジラ全身骨格化石も紹介され、現在の動物とは異なる時間軸で生物の歴史を考える入口になります。つやま自然のふしぎ館は、動物を「かわいい」「大きい」で終わらせず、体のつくり、標本として残す意味、地球上の生物の幅広さまで一気に感じられる博物館です。
