施設の特徴
和歌山県立自然博物館の特徴
約450種3,000点で見る和歌山の水の生きもの
和歌山県立自然博物館は、「和歌山にこだわる!」を展示コンセプトに、県内の海・川・干潟・山地に生きる動植物を紹介する自然史博物館です。第1展示室では、和歌山県内にすむ水の生きものを中心に約450種3,000点を生体展示しています。黒潮の影響を受ける海の魚、潮間帯の小さな生きもの、川の上流・中流・下流にすむ淡水魚まで、和歌山の水辺の生物多様性を一度に見られるのが魅力です。紀伊半島固有種で、和歌山県指定天然記念物のオオダイガハラサンショウウオを生きた姿で見られる点も、全国的に見ても貴重な展示です。
大水槽と小型水槽で、海と川の環境を見せる
展示方法の中心は、水量450トン、ガラス幅15メートルの大水槽「黒潮の海」です。マダラエイなど黒潮域を代表する大型魚が泳ぐ姿を、広い視野で観察できます。群れで泳ぐ魚の水槽、小さな魚や甲殻類を入れた小型水槽、潮間帯の生きものに触れられるコーナー、川の上流・中流・下流を分けた淡水水槽があり、同じ「水の生きもの」でも、すむ場所によって姿や動きが変わることが伝わる構成です。第2展示室では、貝類、昆虫、鳥類、哺乳類、植物、化石、岩石などを標本や模型で紹介し、生体展示と自然史標本の両方から和歌山の自然を見られます。
難しい生体展示と標本保存を両立する博物館
繁殖そのものを前面に出す施設ではありませんが、和歌山県立自然博物館の飼育・保存面で注目したいのは、地域の生きものを生体と標本の両面で扱っていることです。オオダイガハラサンショウウオは冷たい渓流を好むため飼育が難しく、専用水槽や冷却装置を用いて展示されています。また、館では植物、昆虫、魚類、海産無脊椎動物、化石、貝類などの標本を16万点以上登録・保存しており、タイプ標本も所蔵しています。生きている姿を見せる技術と、採集された資料を後世に残す自然史博物館の技術が、和歌山の生物研究を支えています。
県内の自然を調べ、未来へ残す入口
この博物館の魅力は、水族館のような生体展示の楽しさと、自然史博物館としての調査研究がつながっていることです。学芸員は地学、植物、昆虫、魚類、爬虫類、鳥類・哺乳類、粘菌類などの分野で、和歌山県の生物相や分類、生態を調べています。展示で出会う魚やサンショウウオ、貝、昆虫、化石は、単なる見どころではなく、和歌山の自然を記録し、守り、次の世代へ伝える資料でもあります。海から川、山、地層までを一つの県域の自然として見渡せる、和歌山ならではの博物館です。
