施設の特徴
はこね・おだわら昆虫館の特徴
箱根・小田原の昆虫を、地域標本として深く見られる
はこね・おだわら昆虫館は、神奈川県立小田原高校生物部OBでもある佐藤勝信館長の私蔵標本をもとに始まった、地域密着型の昆虫館です。核になるのは、箱根と小田原周辺に生息する昆虫の標本群。チョウ、甲虫、クワガタなど、足元の自然にいる昆虫を中心に見られるため、世界の珍虫を並べる大型館とは違い、「この地域にはどんな虫がいるのか」を具体的に知れるのが魅力です。2024年には神奈川県内で見られるクワガタを集めた特別展示も行われ、県内絶滅種とされるネブトクワガタの生体展示も紹介されました。小田原・箱根エリアの昆虫相を、標本と生体の両方から見られる点が、この館ならではの強みです。
触れられる標本で、虫の形を体感する
展示方法の特徴は、標本を遠くから眺めるだけでなく、子どもが実際に昆虫を感じられるよう工夫されていることです。ケース内の標本展示に加え、壁面に展示された標本に触れられる構成が知られており、翅の広がり、脚の細さ、甲虫の硬さや形を、目だけでなく手の感覚でも確かめられます。地域の昆虫を扱う館だからこそ、展示は「珍しい虫を見た」で終わらず、野外で見つけた虫の名前や仲間を知る手がかりになります。虫や野草の名前を調べてもらえる場としても親しまれており、標本展示と自然観察が直結している点は、小さな昆虫館ならではの距離の近さです。
標本の散逸を防ぎ、地域の昆虫記録を守る
繁殖・飼育を大規模に見せる施設ではありませんが、はこね・おだわら昆虫館の価値は、長年集められてきた地域標本を守り、学びに活かしていることにあります。自宅の一部を開いて公開された手作りの昆虫館であり、一時閉館時には貴重な標本の散逸を防ぐための保存先も検討された経緯があります。これは、昆虫を「今いる生き物」として見るだけでなく、地域の自然を記録した資料として次世代へ残す取り組みといえます。さらに、クワガタ特別展のように生きた個体を交えた展示も行われており、標本で形を比べ、生体で動きや質感を感じる流れがつくられています。箱根・小田原の自然を、採集・同定・保存・観察の視点から味わえる昆虫館です。
基本情報
アクセス・位置情報
神奈川県 小田原市 南町1丁目4-30
