施設の特徴
ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」の特徴
ファーブルのまなざしで、世界の甲虫と昆虫標本を読む
ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」は、NPO日本アンリ・ファーブル会が運営する、昆虫と自然観察の精神を伝える専門館です。1階展示室では、ファーブルに関する資料や「ファーブル昆虫記」にちなむ標本、世界の昆虫標本を展示し、ヘラクレスオオカブト、マンディブラリスフタマタクワガタ、ニジイロクワガタ、クルビデンスオオクワガタなどの生体展示も行われています。大型甲虫の迫力や金属光沢をもつクワガタの美しさを、単なる珍品としてではなく、体の形、脚や大あごの役割、生息地ごとの違いまで想像しながら見られるのが魅力です。
標本・生体・ファーブルの生家再現で、観察の入口をつくる
展示方法の特徴は、標本を見る静かな学びと、生きた昆虫に近づく体験が同じ館内にあることです。1階には展示・販売コーナーと生き虫コーナーがあり、クワガタムシ、カブトムシ、水生昆虫などを観察できるほか、タイミングによってはオオクワガタやヘラクレスオオカブトに触れられることもあります。地下には、ファーブルが生まれた南フランス・サン=レオン村の家を当時の家具とともに再現した空間があり、回廊では昆虫写真や標本を展示。昆虫を「名前を覚える対象」ではなく、暮らしを観察し、記録し、問いを立てる対象として見せる構成が、この館ならではです。
飼育・標本づくり・採集会で、昆虫を学び続ける場になる
繁殖実績や希少種保全を大きく掲げる施設ではありませんが、飼育面では、生きたカブトムシやクワガタを展示し、幼虫や成虫を扱う機会を通じて、昆虫が成長し、世代をつなぐ生きものだと伝えています。館内のワークスペースでは標本教室や飼育教室が開かれ、昆虫を捕まえる、観察する、標本として残す、育てるという一連の技術に触れられます。さらに、日本アンリ・ファーブル会の昆虫塾では、採集・観察会や勉強会も行われ、館内展示で興味を持った虫を野外の自然へつなげて学べます。小さな昆虫館でありながら、標本・生体・フィールド観察を結びつけ、昆虫との向き合い方そのものを育てる場所です。
