施設の特徴
栃木県立博物館の特徴
日光から水辺まで、栃木の生きものを県単位で見渡せる
栃木県立博物館は、栃木の自然と歴史・文化を総合的に扱う県立の博物館ですが、zoobrary的に注目したい主役は、県内の山・森・水辺にすむ生きものたちです。展示室2では、雑木林の生きもの、水辺の生きもの、菌類・植物、動物などをテーマに、カブトムシやクワガタムシ、ホタル、ゲンゴロウ、カエル、トンボ、ミヤコタナゴとマツカサガイ、イトヨなど、栃木の身近な環境を代表する生物が紹介されています。県内の自然を「珍しい標本」だけでなく、里山や田んぼ、水辺のつながりとして見られる点が、この博物館の大きな個性です。
72mのスロープで、標高差に沿って生物分布をたどる
展示方法で際立つのは、1階から2階へ続く全長72mのらせん状スロープ展示です。ここでは、日光の神橋付近、標高約600mから白根山頂、標高2,578mまでをたどるように、落葉広葉樹林帯、常緑針葉樹林帯、高山帯の生物垂直分布が構成されています。単に標本を並べるのではなく、歩くほど標高が上がり、森の種類やそこにすむ生きものが変わっていく感覚で見られるのが魅力です。日光国立公園の自然を、山登りのような動線で体感的に理解できる展示は、栃木県の自然を代表する県立博物館ならではの見せ方といえます。
標本を集め、守り、未来の研究へつなぐ自然史拠点
繁殖・飼育を前面に出す施設ではありませんが、栃木県立博物館の強みは、自然史標本を長く集め、守り、研究や教育に活かしていることです。開館以来、県内外から多様な自然系資料を受け入れており、その数は約75万点にのぼります。脊椎動物では哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類の標本を収蔵し、特にニホンジカ、カモシカ、タヌキ、キツネなど大型・中型哺乳類の骨格標本が多いことも特徴です。植物標本も県内産を中心に膨大に蓄積され、採集地や採集年月日などの情報とともに整理されています。展示を見るだけでなく、標本が地域の自然変化を記録し続ける“生物のアーカイブ”であることを実感できる博物館です。
