施設の特徴
ミュージアムパーク茨城県自然博物館の特徴
巨大化石と茨城の生物多様性を、同じ時間軸で見渡せる
ミュージアムパーク茨城県自然博物館は、「過去に学び、現在を識り、未来を測る」を基本理念にした自然史系博物館です。入口近くで迎える松花江マンモスは体長9.1m・高さ5.3m、ヌオエロサウルスは体長26m・高さ9.75mと、いずれも圧倒的なスケールの骨格標本で、絶滅した巨大生物を体の大きさから実感できます。一方で展示の主役は化石だけではありません。館内では、茨城の動物、植物、菌類、コケ植物、変形菌、絶滅危惧植物、外来生物まで扱い、ツクバトリカブトやホシザキユキノシタのように県内で最初に発見された植物、タチスミレやハナムグラなど湿地の希少植物も紹介されます。県立博物館として、茨城の自然を古生物から現生生物まで一続きに見られる点が大きな強みです。
水槽・ジオラマ・野外フィールドで、生態系を立体的に見せる
展示方法の魅力は、生きものを単独の標本として並べるのではなく、環境との関係で見せることです。第3展示室「自然のしくみ」では、森林、河川、湖沼、海などの生態系を、資料、ジオラマ、生体展示、水槽を組み合わせて紹介します。土の中の小さな生きものを100倍に拡大した展示や、河川・湖沼・海の水槽展示は、ふだん見えにくい生物のすみかを読者の目線まで引き上げてくれます。さらに屋外には15.8haの野外施設が広がり、とんぼの池やどんぐりの森、菅生沼を望む観察ポイントで、本館で学んだ生態系を実際の自然の中で確かめられます。館内展示と野外観察がつながる構成は、日本最大級の自然博物館と紹介される同館ならではの見せ方です。
繁殖のしくみと標本の蓄積から、命を未来へつなぐ
繁殖・飼育を前面に出す水族館や動物園ではありませんが、第4展示室「生命のしくみ」では、動物の繁殖や植物のふえ方を、標本、模型、映像で学べます。骨格標本を見比べることで、走る、飛ぶ、泳ぐ、はうといった動きと体のつくりの関係が分かり、種子の模型や標本からは、植物がどのように広がっていくのかを観察できます。生きものを「かわいい」「大きい」で終わらせず、からだの構造、感覚、繁殖、世代交代まで踏み込んで見せる点が、自然史博物館としての深みです。
また、同館は展示の裏側で、茨城の自然を記録する標本資料を収集・保存し、収蔵資料を検索できる形でも公開しています。第5展示室では、茨城の自然環境や生物多様性、絶滅した動物、絶滅のおそれがある動植物、環境改善の取り組みを扱います。来館者は、化石や標本を眺めるだけでなく、地域の生きものがどのように記録され、どのような環境変化にさらされているのかまで知ることができます。博物館全体が、巨大な生物図鑑であり、同時に茨城の自然を次世代へ残すための研究・教育拠点になっています。
