施設の特徴
ムシムシランドの特徴
カブトムシを地域の主役にした、日本で唯一の「虫の楽園」
ムシムシランドは、田村市常葉町で見つかったカブトムシの幼虫をきっかけに、昆虫を地域のシンボルとして育ててきた昆虫館です。葉タバコ栽培に使われた腐葉土に多くの幼虫が育っていたことから、カブトムシを軸にした町おこしが始まり、1988年には「カブトムシ自然王国」を掲げました。館内の「カブト屋敷」では、150種類の甲虫類と50種類の蝶の標本を展示し、ヘラクレスオオカブト、ギラファノコギリクワガタ、アトラスオオカブト、コーカサスオオカブトなど外国産の大型甲虫も飼育展示されています。雌雄の特徴が一個体に現れる雌雄モザイク型カブトムシの標本もあり、身近なカブトムシから世界の甲虫まで、昆虫の体の多様さを比べて楽しめます。
自然林を覆うカブトムシドームで、成虫の生態を間近に観察する
展示方法の最大の特徴は、日本初とされる「カブトムシドーム」です。自然の雑木林をネットで覆い、その中でカブトムシの成虫を観察できるつくりで、木や土に直接ふれながら、カブトムシが幹を登る、樹液に集まる、脚でしがみつくといった行動を近い距離で見られます。ケース越しに個体を眺める展示とは違い、森の中に入り込んで昆虫のくらしを探す感覚があるのが魅力です。カブト屋敷では標本や外国産甲虫をじっくり見て、屋外ドームでは日本のカブトムシの動きを体で感じるという流れができており、「触れ合い」をコンセプトにした施設らしい、生きた昆虫中心の見せ方になっています。
幼虫が育つ土から成虫展示まで、飼育の背景も伝わる
繁殖・飼育面では、ムシムシランドの成り立ちそのものが見どころです。腐葉土の中で幼虫が育つことに注目した地域から始まっているため、カブトムシを成虫だけの人気者として扱うのではなく、幼虫が土の中で育ち、羽化して森で活動する昆虫として伝えています。常駐スタッフが昆虫の飼い方や生態を説明する方針もあり、来館者は「かっこいい甲虫を見る」だけでなく、温度、餌、土、寿命、ふれ方まで含めた飼育の基本に触れられます。過去には施設の飼育場で雌雄モザイク型カブトムシが羽化した記録もあり、日々の飼育が珍しい個体の発見や標本展示につながる場所です。カブトムシを地域の自然資源として守り、育て、来館者に手渡してきた積み重ねが、この昆虫館のいちばんの魅力です。
