施設の特徴
福島県立博物館の特徴
フタバスズキリュウを核に、白亜紀の福島の海をたどる
福島県立博物館は、福島県の自然・歴史・民俗を総合的に扱う県立博物館で、生物展示の象徴は、いわき市の双葉層群玉山層から発見された海生爬虫類フタバスズキリュウです。日本で見つかったクビナガリュウ類の代表的な全身骨格として知られ、館のシンボルマークにも取り入れられている、福島県ならではの自然史資料です。さらに同じ地層からはアンモナイトや二枚貝など、白亜紀の海に生きた無脊椎動物の化石も見つかっており、フタバスズキリュウを“巨大な古生物”として眺めるだけでなく、当時の海の生態系の一員として理解できる点が大きな魅力です。
化石を単独で見せず、同時代の生き物と環境までつなげる
展示方法の特徴は、福島の生物を「一つの名物標本」だけで終わらせず、地層・化石・環境復元を組み合わせて見せることです。自然分野の展示では、フタバスズキリュウが生きていた白亜紀後期の海を、アンモナイトや二枚貝など周辺の生物資料とともに紹介します。とくに玉山層から確認された20種類の二枚貝化石は、巨大な海生爬虫類のそばに、どのような貝類が暮らしていたのかを考える手がかりになります。相馬・いわき地域の中生代地層からは、脊椎動物、アンモナイト、貝類、昆虫、裸子植物など多様な化石が報告されており、浜通りの太古の海と陸を、複数の生物群から立体的に想像できる構成です。
収集・研究・企画展示で、福島の生物資料を更新し続ける
福島県立博物館は、動物園や水族館のように飼育下繁殖を見せる施設ではありませんが、生物資料を調べ、保存し、研究成果として展示へ戻す力に特色があります。館の学芸員は、フタバスズキリュウと同時代に生きていた二枚貝化石の研究にも関わっており、収蔵資料データベースでは所蔵資料の情報公開も進められています。企画展では、福島県内外のアンモナイトや同時代の生き物を取り上げ、化石から進化や生態を読み解く展示も行われてきました。さらに、虫をテーマにした展覧会では、暮らしの中の人と虫の関わりや、生きた虫にふれる外部連携イベントも扱われています。生体の繁殖展示ではなく、標本の保存、分類、研究、体験を通じて、福島の生物多様性を次世代へ引き継ぐ博物館です。
