施設の特徴
ふるさといきものの里・オオムラサキ館の特徴
栗山町の自然を象徴する、国蝶オオムラサキを深く見られる
ふるさといきものの里・オオムラサキ館の主役は、日本昆虫学会が国蝶に定めたオオムラサキです。栗山町は北海道内での生息東限とされる地域で、なかでも滝下地区の個体群は、斑紋の特徴が他地域と異なる「クリヤマエンシス」として記載された特別な存在です。館内では日本国内や中国のオオムラサキ標本を見比べられ、地域による模様の違いを観察できます。さらに、栗山町周辺にすむ両生類、淡水魚、水生昆虫、昆虫など30種以上の生きものも飼育展示され、オオムラサキを入口に、雑木林・水辺・身近な生態系へ視野が広がる構成になっています。
網舎で羽化と飛翔を間近に見る、生態観察型の展示
展示方法の魅力は、標本だけでなく、生きたオオムラサキの成長段階を追えることです。館にはオオムラサキを観察できる飼育舎があり、春から秋にかけては網で囲われた屋外展示スペースで、チョウが飛ぶ様子を近い距離で観察できます。とくに7月上旬から中旬ごろは羽化の最盛期とされ、幼虫・さなぎ・成虫という変化を、季節の流れと合わせて理解しやすいのが特徴です。館内展示では御大師山の自然や歴史も紹介されており、オオムラサキを「きれいな蝶」として眺めるだけでなく、エゾエノキの葉、樹液を出す木、クワガタやスズメバチなど周囲の昆虫まで含めた雑木林のつながりとして見られます。
人工飼育と環境づくりで、北のオオムラサキを守る
繁殖・飼育面では、オオムラサキを人工飼育し、その一生を学べる点が大きな柱です。オオムラサキの幼虫はエゾエノキの葉を食べて育ち、秋には褐色になって落ち葉の中で越冬し、雪どけ後に再び活動を始めます。館ではこうした成長の流れを展示や飼育で伝え、栗山町ではオオムラサキが生き続けられる雑木林を守ることを、地域の自然保全の象徴として位置づけています。冬期にはサケの卵をふ化させて稚魚を展示し、夕張川へ放流する取り組みも紹介されており、昆虫館でありながら、水辺の生きものを含めた「いのちの循環」を感じられる施設です。
