施設の特徴
釧路市動物園の特徴
道東の希少動物に出会える、北海道らしさの濃い動物園
釧路市動物園は、釧路湿原に代表される湿地と森林の自然を背景に、北海道東部の動物たちを深く知ることができる動物園です。特別天然記念物のタンチョウ、天然記念物で絶滅危惧IA類のシマフクロウ、オオワシ、オジロワシ、クマタカ、エゾヒグマ、エゾモモンガ、エゾクロテンなど、道東の自然を語るうえで欠かせない生きものがそろいます。なかでもシマフクロウは世界最大級のフクロウで、北海道での生息数は100つがい程度とされる希少種。観光施設として動物を見せるだけでなく、地域の野生動物を知り、共に暮らす距離を考える場になっている点が、この園の大きな個性です。
湿原から森へ、環境ごと見せる「北海道ゾーン」
展示方法の中心は、道東の自然環境を歩いてたどる「北海道ゾーン」です。木道を進むと、丘陵地から湿原へ移り変わる様子がわかり、トンボ池ではエゾアカガエルの産卵や20種類のトンボ、野鳥や季節の植物も観察できます。タンチョウ観察広場ではタンチョウを近くで見られ、タンチョウ・アオサギ観察デッキからはアオサギの集団営巣地も望めます。さらに「ふくろうの森」では、北海道で見られる5種のフクロウを3つのケージに分け、種類ごとの大きさやすみ分けを比べられる構成です。2025年に開設されたエゾヒグマ館では、プールやシェルターのある放飼場で、双子のオス「クッタ」と「カイ」の行動も観察できます。
世界初の繁殖実績を支える、希少鳥類の保護と飼育技術
釧路市動物園の飼育・繁殖で最も特筆すべきは、シマフクロウとクマタカの保護増殖です。シマフクロウは1995年に世界で初めて飼育下繁殖に成功し、その後も自然繁殖、人工孵化、育雛を重ねてきました。野生復帰できない保護個体や環境省から移管された大型猛禽類を、生息域外保全のために飼育し、一部は一般公開せず静かな環境で繁殖を試みるなど、展示よりも命をつなぐことを優先する判断も行われています。国内で初めて繁殖し、6か月以上育った動物に贈られる日本動物園水族館協会の繁殖賞も、同園は14種17回受賞しており、希少鳥類だけでなく多様な動物の繁殖技術を積み重ねてきた園といえます。
