施設の特徴
八木山動物公園「フジサキの杜」の特徴
東北最大級の園で、世界の大型動物と希少種を見比べる
八木山動物公園「フジサキの杜」は、約115種・約600頭規模の動物を飼育する、東北最大級の動物園です。アフリカゾウ、アミメキリン、カバ、ヒガシクロサイといった大型草食獣から、スマトラ島だけに生息するスマトラトラ、北極圏の大型肉食獣ホッキョクグマ、森林開発などで数を減らしているニホンイヌワシまで、体の大きさも生息環境も異なる動物を幅広く観察できます。特にスマトラトラやシジュウカラガンのような保全上重要な種がいることで、単に「迫力ある動物を見る」だけでなく、野生で何が起きているのかまで関心が広がる園です。
アフリカ園と猛獣舎で、動物本来の動きを近くに感じる
展示方法では、アフリカゾウやキリンなどをひと目で見渡せる「アフリカ園」が大きな見どころです。長い首で木の葉を食べるキリン、重い体で歩くゾウ、がっしりした体で枝葉を食べるクロサイなど、同じ草食動物でも体のつくりや食べ方の違いを比べやすい構成になっています。スマトラトラ、ライオン、ホッキョクグマがいる猛獣舎では、肉食獣の体格や歩き方を近距離で観察でき、毛の模様、足の運び、視線の鋭さまで見えてきます。ヤギ・ヒツジや小動物と関われる「ふれあいの丘」、鳥の飛翔能力を間近で見るフリーフライトもあり、大型獣から身近な動物まで、行動を通して生きものを理解できる展示がそろっています。
シジュウカラガンの渡りを復活させた、保全型動物園の実力
繁殖・飼育の面で特筆すべきは、シジュウカラガンの羽数回復事業です。シジュウカラガンは、かつて仙台平野にも多く飛来した小型のガンですが、繁殖地に持ち込まれたキツネの影響で急減し、日本への渡りが途絶えた時期がありました。八木山動物公園は1980年代から日本雁を保護する会や海外の研究機関と協力し、飼育下繁殖、繁殖地での放鳥、渡りの復元に長く取り組んできました。その結果、日本へ飛来する群れは回復し、宮城県内への飛来数が大きく増えるまでになっています。現在も国内動物園で飼育されるシジュウカラガンの個体群管理を担い、湿地や渡り鳥の大切さを伝える教育活動にもつなげています。大型動物の展示だけでなく、地域の空に野生の鳥を呼び戻す保全の物語を持っていることが、この園の深い魅力です。
