施設の特徴
須坂市動物園の特徴
名誉園長「ハッチ」の系譜が息づく、身近で個性豊かな動物たち
須坂市動物園は、1962年に開園した臥竜公園内の市立動物園で、約41種215点の動物を飼育しています。カピバラ、ベンガルトラ、ワオキツネザル、フンボルトペンギン、ラマ、トナカイなどが人気で、哺乳類ではアカカンガルー、ニホンツキノワグマ、ニホンザル、トカラヤギなども見られます。なかでも園の象徴は、テレビ番組で全国的な人気者となったアカカンガルー「ハッチ」。干し草入りのサンドバッグに抱きついたり蹴ったりする行動で知られ、亡くなった後も「名誉園長」として語り継がれています。現在もハッチのひ孫・玄孫を含むアカカンガルーたちが暮らしており、単に珍しい動物を見るだけでなく、一頭の個性が園の歴史を動かした物語まで感じられるのが須坂市動物園らしさです。
近い距離と手づくり展示で、動物の行動を見つける
展示方法の魅力は、小さな園ならではの近さと、飼育員の工夫が見えるあたたかさです。園内には手づくりの案内板や動物クイズが置かれ、種名を知るだけでなく、食べ方、体のつくり、行動の理由に目が向くようになっています。臥竜山の斜面を活かしたニホンジカの展示では、平らな檻の中では見えにくい足運びや立ち姿を観察しやすく、自然地形を取り入れた飼育環境が特徴です。モルモットのふれあいでは、人数を区切り、手洗いや消毒を促すなど、人と動物の距離を近づけながらも負担や感染症予防に配慮しています。夜の動物園や各種ガイドも行われ、昼間とは違う活動時間や飼育員目線の解説から、生きものの見方を深められます。
繁殖の瞬間を伝える、家族単位の飼育と成長記録
飼育・繁殖の面では、アカカンガルーとワオキツネザルの家族展示が印象的です。アカカンガルーは、赤ちゃんが体長約2センチほどの未熟な状態で生まれ、その後に母親の育児嚢で成長するため、誕生の確認が難しい動物です。須坂市動物園では、袋から顔を出した日を誕生日として扱うなど、有袋類ならではの成長を丁寧に記録し、繁殖制限のためにオスとメスを分ける管理も行っています。ワオキツネザルでは、2025年に生まれた赤ちゃん「ポポロン」の成長が紹介され、生まれた直後に母親のお腹にしがみつき、やがて背中に乗り、自分で動き回るようになる過程が伝えられました。繁殖実績を大きく誇示するというより、家族の関係や成長段階を来園者と共有しながら、動物の暮らしを近くで見守る飼育がこの園の核になっています。
