施設の特徴
福山市立動物園「タカオ福山動物園」の特徴
国内唯一のボルネオゾウに会える備後地域の動物園
福山市立動物園「タカオ福山動物園」は、哺乳類・鳥類・爬虫類を合わせて50種以上を飼育する、備後地域のシンボル的な公立動物園です。最大の特筆点は、国内で唯一展示されているボルネオゾウ「ふくちゃん」。ボルネオゾウはアジアゾウの亜種で、ボルネオ島北東部に生息する小型のゾウとして知られ、野生ではプランテーション開発などによる生息地減少が課題になっています。園内では、アムールヒョウ、アムールトラ、アミメキリン、フンボルトペンギン、フタニクダレヒクイドリ、エミュー、レア、ダチョウなども見られ、希少種・大型獣・走鳥類を比較しながら観察できる構成になっています。
近くで観察し、飼育員の解説で行動を読み解く展示
展示方法では、「野生状態での展示手法」や「ふれあい」を大切にするという園の考え方が軸になっています。ボルネオゾウのガイドでは、飼育員がエサを与えながら体の特徴や個体の様子を紹介し、フンボルトペンギンの食事、ネコ科動物の給餌、キリンの採食、テンジクネズミの近接観察など、行動が出やすい場面に合わせたガイドが用意されています。特に走鳥類は、ダチョウ・レア・フタニクダレヒクイドリ・エミューの4種を飼育していることを園が特徴としており、飛ばない鳥の体格、脚のつくり、走るための進化を比べて見られる点が魅力です。夏の夜間開園では、日中とは違う動物の動きも観察対象になります。
希少種の繁殖・治療・健康管理を伝える飼育の現場
繁殖・飼育面で印象深いのは、希少種を守るための継続的な取り組みです。アムールヒョウでは、国際的な繁殖計画のもとでイギリスから来園したオス「アニュイ」とメス「ピン」の間に、2014年に双子のメス「カラン」「コロン」が誕生しました。2頭はその後、別の動物園へ移動し、次世代の繁殖へつながる個体として送り出されています。また、ボルネオゾウ「ふくちゃん」は病気治療を続けながら、体調に合わせて展示されており、飼育員の投薬・観察・日光浴管理によって支えられています。走鳥類では、エミューが自ら体重計に乗れるよう段階的にトレーニングするなど、動物ごとのペースに合わせた健康管理も行われています。迫力ある展示だけでなく、個体を長く健やかに生かす飼育技術まで見えてくる動物園です。
