施設の特徴
いおワールド かごしま水族館の特徴
黒潮と錦江湾が育む、鹿児島ならではの生きもの
いおワールド かごしま水族館は、「黒潮浪漫海道」をテーマに、南西諸島から鹿児島の海へ続く生きものの世界を約800種1万点で紹介する水族館です。代表的な存在は、黒潮大水槽を泳ぐジンベエザメ「ユウユウ」。世界最大の魚であるジンベエザメの幼魚を定置網から受け入れ、一定の大きさまで飼育した後に海へ帰すという、かごしま水族館ならではの展示・保全型の飼育方針が取られています。さらに、錦江湾奥部の海底火山近くで発見されたサツマハオリムシは、世界で初めて生きた姿を展示した生物として特筆されます。ジンベエザメ、カツオ、スマ、マダラトビエイ、サンゴ礁の魚、深場の化学合成生態系の生物まで、鹿児島の海の“広さ”と“深さ”を一館でたどれる点は、九州でも大きな個性です。
1500㎥の大水槽から研究型展示まで、行動を見せる水槽設計
展示方法の核になるのは、水量1500㎥の黒潮大水槽です。ジンベエザメだけを単独で見せるのではなく、カツオやグルクマなど黒潮に乗って回遊する魚たちと同居させることで、外洋の流れの中で生きる魚のスピード感や群れの動きが伝わる構成になっています。南西諸島の海エリアでは、奄美大島周辺を中心としたサンゴ礁環境を再現し、魚類だけでなくサンゴ、海藻、ヒトデ、ナマコまで含めて“海中環境そのもの”を見せています。マングローブ水槽では天然光を取り入れ、鹿児島県が分布の北限にあたるマングローブと、干潟に暮らすトビハゼやハクセンシオマネキを同じ文脈で観察できます。屋外のイルカ水路では、錦江湾につながる水辺でイルカを間近に見ることができ、館内展示と地元の海がゆるやかにつながるのも、この水族館らしい見せ方です。
飼育・繁殖・研究を来館者に開く、水族館の裏側まで見える取り組み
繁殖・飼育の面では、サンゴ繁殖センターとうみうし研究所が象徴的です。サンゴ繁殖センターでは、鹿児島の海に多く暮らすサンゴがどのように生き、子孫を残すのかを研究する展示として公開しており、南西諸島のサンゴ礁展示を“見る”だけでなく、サンゴを育てる技術や繁殖の不思議に目を向けさせます。うみうし研究所は、色彩の美しさで人気のウミウシを、単なる鑑賞対象ではなく、生態解明と飼育研究の対象として扱う世界的にも珍しいコーナーです。サツマハオリムシについては、東京大学などとの共同研究で全ゲノム解読にも関わっており、展示個体が化学合成生態系の研究にも結びついています。ジンベエザメの食事解説、アザラシの食事観察、ヒトデやウニ、ナマコに触れるタッチの時間、飼育や採集の苦労を伝えるアクアラボなど、来館者が飼育技術と生物の生態を同時に学べる機会が多いことも魅力です。
