施設の特徴
到津の森公園の特徴
国内でも少ないマサイキリンと福岡県唯一のゾウ
到津の森公園は、約80種470頭羽の動物が暮らす、北九州市の「市民と自然を結ぶ窓口」として再整備された動物園です。特に注目したいのは、国内で飼育個体が10頭未満とされるマサイキリン。国内でよく見られるアミメキリンとは模様が異なり、不規則な星形の斑紋をもつのが特徴です。さらに、福岡県内でゾウを見られる施設として紹介される点も大きな個性で、セイロンゾウのサリーとランは園の象徴的存在です。アムールトラ、チンパンジー、レッサーパンダ、ミドリコンゴウインコなど、絶滅危惧種も多く、九州北部の都市型動物園でありながら、生物多様性をしっかり感じられる顔ぶれです。
檻を減らし、動物のすみかを歩いてのぞく展示
展示方法の魅力は、動物をただ檻越しに見るのではなく、生息地に近い環境を意識していることです。草原の世界では、マサイキリンとチャップマンシマウマを同じ画角で見られることがあり、展望台に上がるとキリンの目線の高さから観察できます。林床の世界では、森の中に潜むようなアムールトラの運動場や、木々を増やしたチンパンジーの展示があり、動物を探す行為そのものが観察になります。樹冠の世界では、地上約10mのウッドデッキから、インコやサルの動きを同じ高さで見られるのも特徴です。レッサーパンダは通り道を下からのぞいたり、ガラス越しに間近で見たりでき、動物ごとに視点を変えられる展示になっています。
繁殖と健康管理を支える、手づくりの飼育技術
繁殖・飼育面では、家族構成や成長の見える展示が魅力です。チンパンジーでは、2019年生まれのユパ、2021年生まれのシータを含む群れが暮らし、子どもから大人まで年齢幅のある社会を観察できます。レッサーパンダでは、凌凌、野風、その息子で人工哺育により育った笑笑、東京出身のアシタバが暮らし、個体ごとの性格や親子関係まで紹介されています。ミドリコンゴウインコでは、ペアの初めての子である「わさび」も加わり、親子3羽の関係が見どころです。さらに、アライグマやレッサーパンダには餌を探すための手づくり遊具が使われ、レッサーパンダには採血などに備えたトレーニングも行われています。動物を近くで見せるだけでなく、食べる・動く・育つ・健康を保つための工夫が伝わる動物園です。
