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イセエビ(イセエビ)

Panulirus japonicus

概要

生態と外見

イセエビ科 (Palinuridae) イセエビ属の大型エビで、体長 20〜30 cm 級・体重 0.5〜1 kg 級 (最大 40 cm の記録あり)。体色は赤褐色〜暗赤褐色で、長い触角と頑強な棘で覆われた頭胸甲が特徴。アメリカンロブスターと異なり、第 1 歩脚に大型鋏を持たない。日本本州中部以南〜台湾の岩礁・サンゴ礁 (水深 5〜30 m) に分布し、日中は岩穴に潜み夜間に出て小型甲殻類・貝類・有機物を採食する。

他分類との違い

同科のニシキエビ Panulirus ornatus (熱帯太平洋) や同属のカノコイセエビ Panulirus longipes と比べ、本種は体表に細かい棘が密で頭胸甲は無斑〜不明瞭な暗斑。ニシキエビは大型で派手な縞模様、カノコイセエビは脚部に明瞭な白点を持つ。アメリカンロブスター Homarus americanus (Nephropidae) と異なり第 1 歩脚に鋏を欠き、長く伸びた触角で外敵感知・群集間信号伝達を行う。

名前の由来

学名 Panulirus japonicus の属名 Panulirus は元属 Palinurus (ギリシャ神話の航海者) のアナグラム的派生で、ラテン語の語遊び。種小名 japonicus は基準産地が日本沿岸であることを示す。Von Siebold により 1824 年に記載。和名「イセエビ」は伊勢神宮への奉納や三重県伊勢湾での好漁を反映した命名で、江戸期から正月の縁起物として珍重された。

興味深い特徴

集団脱皮後の数日間は柔らかい「ソフトシェル」状態で、海水中で互いに触角で連絡を取りつつ岩穴に集合する。長い触角は感覚器であると同時に、互いに擦り合わせて低周波音 (stridulation) を発生させる発音器官としても機能し、捕食者忌避や集団認識に使われる (Patek 2001 等)。岩穴での集団行動は数十個体が一列に行進する形態が観察されている。

明日使えるうんちく

茹でた殻の鮮赤色と長い触角・頑強な姿から日本では古来「海の長者」と呼ばれ、正月や祝い事の食卓を飾る代表的縁起物。三重県・千葉県・和歌山県が主要漁獲地で、刺身・鬼殻焼き・味噌汁が定番。古来「鎧海老」とも呼ばれ、棘で覆われた姿が武者の鎧に喩えられた。漁獲規制 (体長 13 cm 以下禁漁) が全国の漁協で課されている。

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基本情報

学名

Panulirus japonicus

学名(カナ)

パヌリルス・ヤポニクス

英名

Japanese spiny lobster

英名(カナ)

ジャパニーズスパイニーロブスター

大きさ

20〜30 cm(体長。最大40cm)

体重

0.5〜1 kg

食性

雑食(小型甲殻類・貝類・有機物)

活動時間帯

夜行性

生息環境

岩礁・サンゴ礁(水深5-30m)

分布

日本本州中部以南〜台湾

見られる施設

施設情報は施設別ページから確認できます。

写真

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