概要
生態と外見
ワニ目クロコダイル科の大型のワニで、全長は雄で 4 m 級に達する。アリゲーター類より細く尖った吻 (ふん) を持ち、口を閉じても下顎の第 4 歯が外側に見える点が特徴。南北アメリカの熱帯域 (フロリダ南端・中米・カリブ・南米北部) の汽水域や沿岸の河口・マングローブに生息し、塩分への耐性が高い。魚・カニ・鳥・哺乳類を捕食する。
他分類との違い
アリゲーター科 (アメリカアリゲーター等) が淡水を好み口を閉じると下顎の歯が隠れるのに対し、本種を含むクロコダイル科は塩分への耐性が高く、口を閉じても下顎の第 4 歯が外に見える点で区別される。本種はアメリカアリゲーターと分布が一部重なるが、より沿岸・汽水域に依存する。
名前の由来
学名 Crocodylus acutus の Crocodylus はギリシャ語 krokodeilos (トカゲ・ワニ) に由来し、acutus はラテン語「鋭い・尖った」で細く尖った吻を表す。和名「アメリカワニ」は分布地 (アメリカ大陸) とクロコダイル科 (ワニ) であることを表す。
興味深い特徴
舌の表面にある塩類腺から余分な塩分を排出できるため、海水に近い汽水域でも生活できる。アメリカアリゲーターと分布が重なるフロリダ南端は、両者が同所的に見られる世界でも珍しい地域として知られる。卵は孵卵温度によって性が決まる温度依存性決定を示す。
明日使えるうんちく
フロリダでは原子力発電所の冷却水路が思いがけず安定した営巣環境となり、個体数回復に寄与した例が報告されている。性質はアメリカアリゲーターより神経質とされる。
基本情報
Crocodylus acutus
クロコディルス・アクトゥス
American crocodile
アメリカンクロコダイル
3〜4 m(全長)
50〜70 年
肉食(魚・カニ・鳥・哺乳類)
汽水域・河口・マングローブ(塩分耐性が高い)
南北アメリカ熱帯域
